ドナルド・トランプ米大統領が、エルサレムをイスラエルの首都と認定したことについて、日本YWCA(藤谷佐斗子会長、尾﨑裕美子総幹事)は12日、イスラエルによるパレスチナに対する違法な占領を正当化するものだとし、日本政府に対し、首都認定に反対するよう求める要望書を発表した。
日本YWCAは、第3次中東戦争(1967年)でイスラエルが東エルサレムなどを軍事占領し、エルサレムを首都と主張していることは、国連からも再三批判を受けていることで、「明確な侵略行為」だと指摘。トランプ氏の首都認定は、中東地域にさらなる不安定をもたらし、パレスチナの人々を危険にさらすと訴えている。
その上で、国連加盟国として、また国連の安全保障理事会と人権理事会の理事国として、日本は国際法と国連決議の順守を訴える責任があると主張。各国政府がトランプ氏の首都認定に批判や懸念を表明する一方で、日本政府は沈黙しているとし、「『地域及び国際社会の平和と安定に寄与』することを表明している国として、この責任を果たすことを強く求めます」としている。
イスラエルをめぐっては、国連安全保障理事会が昨年12月、パレスチナ内の入植活動を非難する決議を採択している。米国はイスラエルを非難する決議は拒否権を行使するのが通常だが、当時のオバマ政権は拒否権を行使せず棄権。これにより、決議が採択された。既に次期大統領として確定していたトランプ氏は当時、「拒否権を発動すべきだ」と述べ、決議に反対する姿勢を示していた。