米テキサス州サザーランドスプリングスの教会で26人が死亡する銃乱射事件が発生したことを受け、同州ジョージタウンのメガチャーチ、セレブレーション教会(信徒数1万3千人)で19日、信徒のセキュリティー教育などを目的としたサミットが開催された。地元の保安官事務所が主催したもので、170余りの教会から代表者ら約千人が参加した。
サミットを主催したウィリアムソン郡保安官事務所のパトリシア・グティエレス広報官は、クリスチャンポストの取材に応じ、開催の経緯などを次のように語った。
「私たちは、サザーランドスプリングスにおける悲劇的な銃乱射事件を受けて、諸教会や地域住民に自分の身を守る方法を教える必要性を感じました。セレブレーション教会は、この郡にある大教会です。ジョー・チャンピオン牧師は、ちゅうちょなく私たちがこの教会を会場として使うことを許可してくださいました」
グティエレス氏は、サミットは大成功だったとし、「教会がセキュリティー対策を始めるためのとても良い機会」だと話す。参加教会の規模は大小さまざまだったが、会衆向けのセキュリティー対策を行う上で十分な情報を手に入れたという。「銃規制に関する見解にかかわらず、彼らはセキュリティーチームに関する質問の答えを得たはずです。目標は、教会独自のセキュリティーチームの結成を各教会に考えさせることです」
ウィリアムソン郡のロバート・コーディー保安官はこれに先立ち、サミット開催の目的は潜在的な銃乱射への対応以外にもあると、地元テレビ局CBSオースティン(英語)に語っていた。
「最終目標は、銃撃犯や殺人者に遭遇した場合、また、あらゆる形態の事件に巻き込まれたときに、行動すべき状況なのにじっと座ったままでいてはいけないことを地域住民に教えることです。私たちは、火災や洪水、竜巻など、礼拝を持っている最中に襲われる可能性のある災害全体に意識を向けたいとも思っています」
サザーランドスプリングスの事件では、デビン・パトリック・ケリー容疑者(26)が日曜日だった今月5日、礼拝中のサザーランドスプリングス第一バプテスト教会に押し入り、26人を殺害した。
ケリー容疑者は事件前、ソーシャルメディア上に扇情的な投稿をしており、事件発生当初は、自身の無神論者としての考えからの犯行ではないかと指摘する声もあった。しかし当局は、犯行動機は宗教的なものではないとし、家族間のトラブルが原因だったとする見解を示している。
セレブレーション教会の広報担当者であるアンドリアナ・オロスコジョーダン氏によると、同教会ではしばらく前から、セキュリティー対策のための準備を計画していたという。
「出席者した人たちは、銃撃犯への対応から応急処置の準備に至るまで、さまざまな情報を得ることができました。出席者全員が、サミットで共有された情報を基に、自分たちの教会や会衆に最も役立つ計画を立てて実施するよう願っています」