インターネット検索市場において世界最大規模のシェア率を誇る検索エンジン「Google(グーグル)」で使用される検索キーワードのうち、キリスト教関連の単語の中では、「教会」が検索キーワードとして最も多く使用されていることがわかった。
グーグルは5日、人気サービス「Google Trends」から派生した、検索キーワードの傾向を多角的に分析できるサービス「Google Insights for Search」を開始した。このサービスを利用することによって、「キリスト教」や「教会」、「聖書」などといったキリスト教関連の単語の中で、どの単語が検索キーワードとして最も多く使用されているかがわかるようになった。
当社が選定したキリスト教関連の主要12キーワード「キリスト教、教会、聖書、キリスト、イエス・キリスト、クリスチャン、牧師、神父、プロテスタント、カトリック、福音、ゴスペル」では、最も使用される頻度が高かったのは「教会」で、2位の「キリスト」よりも約1.7倍高い結果となった。3位には「キリスト教」「聖書」が並び、4位は「クリスチャン」、5位は「カトリック」で、6位は「福音」、以下は僅差で「ゴスペル」「神父」「牧師」「イエス・キリスト」「プロテスタント」の順となった。
音楽の一つのジャンルとして日本でも親しまれている「ゴスペル」は意外にも順位を伸ばさず、「福音」のほうが検索キーワードとしてより多く使用されている。また、カトリック系の単語となる「カトリック」「神父」はそれぞれ、プロテスタント系の単語「プロテスタント」「牧師」よりも多く使用される傾向があることがわかった。
同サービスでは各キーワードに関連して検索される単語も合わせて調査することができる。キリスト教関連のキーワードで検索頻度1位であった「教会」では、関連単語として「結婚式」「教会結婚式」が挙げられており、結婚式会場としての「教会」の検索が今回の結果にも影響したと予想される。
一方、検索キーワードとして「教会」が最も頻繁に使用される時期は、クリスマスがある12月。調査可能な04年から07年までのすべての年で同じ傾向が見られ、12月になると「教会」の検索頻度は他の月よりも10〜20%高くなっている。クリスマスが日本で最もキリスト教に関心が寄せられる時期と言えるかも知れない。
都道府県別で見ると、沖縄県が12のキリスト教キーワードのうち5つで検索頻度1位となっており、日本で最もキリスト教に関心がある都道府県と言える。また、カトリック教徒が人口の約4.3%を占め、キリスト教関連の建築物としては国内で唯一国宝に指定されている大浦天主堂(長崎市)を持つ長崎県は、「教会」の検索頻度が最も高い都道府県で、12キーワードの中でカトリック系に分類される「カトリック」「神父」でも検索頻度1位となった。
調査会社コムスコアによる今年3月時点の調査結果では、世界のインターネット検索市場におけるグーグルのシェア率は62.8%と圧倒的。しかし、検索エンジンのシェア率は国ごとによって様々で、ドイツやフランスなどではシェア率約90%とグーグルが圧倒的に使用されているが、日本では「Yahoo(ヤフー)」がグーグルを上回っており、韓国でのグーグルのシェア率は5%ほどしかない。だが、日本ではヤフー、グーグルのシェア率は06年7月にはそれぞれ65.9%、27.8%であったのが、07年7月には47.4%、35.0%となっており、グーグルが急激にヤフーを追い上げている状況である。