聖公会の世界共同体「アングリカン・コミュニオン(全世界聖公会)」の一員であり、インド最大の合同教会である南インド教会(CSI)が9月25日〜27日、同国南部の都市チェンナイで創立70周年の祝賀行事を行った。
祝賀行事は25日、全世界の協力教会・団体との連携強化を目的にした大会で幕を開け、翌日には常議員会を開催。最終日は70年前にCSIが創設された記念日となり、チェンナイの聖ジョージ大聖堂に全24教区から数千人が礼拝に訪れ、感謝の聖餐式が執り行われた。CSIのラスナカラ・サダナンダ総幹事は次のように語った。
「CSIのすべてが始まった、まさにこの聖ジョージ大聖堂の尖塔の下に、私たちは今集められています。南インドの聖公会、長老派、会衆派、そしてメソジストの各教会が、それぞれの境界線を引き直し、国家と文化のアイデンティティーに基づいた合同教会を形成したのです。私たちは統合の象徴、神の国の予兆となるべく、地の塩、世の光と呼ばれる教会としてここに集まっているのです」
CSI議長で、アングリカン・コミュニオンの環境担当主教であるトーマス・オーメン主教は、合同までの28年にわたるさまざまな交渉を振り返り、これまで70年もの間、教会を成長させてくれた神の恵みに感謝した。また、これまでの70年間を巡礼と称して、CSIが、その精神を強く打ち出し、カースト、信条、宗教にかかわらず、すべての人に仕えながら、いかに結び付きを強めてきたかを振り返った。そして、教会に対して、正義と平和の闘いの最前線に立つよう奨励するとともに、CSIが周縁に追いやられている人々との連携を強め、社会の預言者的存在として証ししていくよう求めた。
世界教会協議会(WCC)の宗教間対話・協力担当責任者であるぺニエル・ラクマー博士も、CSIの70年を振り返り、次のように語った。
「目に見える形の一致に向けて、具体的に状況を把握して活動していこうとするCSIの努力こそ、私たちをここに集めてくださった主なる神が真実な方であることを証しするものです。70周年の祝福にあずかることで、私が思わされていることは、エキュメニズムの力は、完全に一体となっている三位一体の神の豊かさを実現する草の根的動きとして具現化されていくということです。この三位一体の神の内に、私たちは生き、動き、そして自らの存在を見いだしているのです」
祝賀行事は、CSIの各教区の豊かな文化を紹介する大きな公開イベントで幕を閉じた。
南インド教会:南インド合同教会(長老派、改革派、会衆派による合同教会)、南インド・メソジスト教会、インド・ビルマ・セイロン聖公会の一部が合同し、1947年9月27日に成立した。インドで最も大きい合同教会であると同時に、教会員数はカトリック教会に続いて同国2位と、同国最大のプロテスタント教派でもある。主教制を持つ教会と、主教制を持たない教会が合同した史上初めてのケースで、20世紀初頭から始まった現代のエキュメニカル運動における画期的な一例となっている。