中国山西省のある村で、当局による取り壊しの危機にあったカトリック教会を司祭や信徒らが取り囲み、取り壊しを食い止める出来事があった。人々は祈りながら抗議し、中にはショベルカーの上に立ち、「イエスは私を救ってくださいます!」「母なるマリアよ、私たちを憐(あわ)れんでください!」などと叫ぶ人もいたという。
カトリック系メディア「アジア・ニュース」(英語)によると、この出来事は8月29日、同省南東部の長治市に近い王村で起こった。小雨が降る中、司祭たちと多くの信者たちが教会の周囲に集まり、「当局者たちの心を和らげ、宗教の自由を保護する国の法律に従って行動するようにさせてください」と神に祈り求めた。
取り壊しの危機にあったのは20世紀初頭に建てられた古い教会で、当局は10年前に修復の許可を与えていたという。4カ月前からやっと修復作業が始まったが、「都市計画」のために心変わりし、教会の解体を命じたという。中国共産党の地区委員会と地元当局は、「教会が解体された後には、人々の生活を豊かにするための広場が建設される予定です」と説明している。
アジア・ニュースによると、長治市は人口約350万人のうち5万人がカトリック信徒で、47人の司祭が奉仕している。長治教区内には60以上の教会と礼拝堂がある。
■ 教会の取り壊しに抗議する人々