西アフリカのシエラレオネで14日、大規模な土砂崩れと洪水が発生し、400人近くが死亡し、少なくとも600人が依然、行方不明になっている。国家非常事態宣言が発令され、複数のキリスト教慈善団体は、依然として数千人が危険にさらされていると注意を呼び掛けている。土砂崩れや洪水により崩壊した家屋は3千軒余りに上り、大雨は今後も続くと予想されている。
土砂崩れが発生したのは、首都フリータウンの東約25キロに位置するリージェント地区。14日早朝に同地区にあるシュガーローフ山の山腹が崩れ、住宅をのみ込んだ。当時、多くの住人は就寝中だった。洪水は過去20年間で最大規模のものとみられ、遺体が今もがれきの中から引き出されている。
カトリック海外開発機関(CAFOD)の国内ディレクターであるカヨーデ・エイキントラ氏は、遺体が道路のあちこちに散在していると言い、「現場の状況は非常に悪い」と話している。
「被災者は水や食糧を緊急に必要としています。また、家を失った数千人が避難所を必要としており、健康への被害が大きく懸念されています。私たちの祈りは、被災した方々と共にあります」
現地で支援活動を行う諸団体は、緊急な救援活動と共に、コレラや腸チフス、下痢など、水を介した疾病の発生に注意を呼び掛けている。
15日にリージェント地区を訪れたアーネスト・バイ・コロマ大統領は、涙ながらに被害の大きさを伝え、「地域一帯が流されてしまった。緊急の支援が直ちに必要だ」と訴えた。
英国に本部を置くキリスト教慈善団体「ティアファンド」の国内代表を務めるガストン・スランワ氏は、地域の民家や教会、学校などが、土砂崩れや洪水により家を失った何百人もの人々を受け入れているとし、「大きな愛があふれている」と述べた。
「昨日、フリータウン周辺を車で回りましたが、数軒の民家が完全に消滅し、道路もまったく消え去っているのを目にしました。ある橋の上では、亡くなられた2人の方の遺体が水中から引き出され、私の目の前で救急車に乗せられるのを目撃しました。私たちが協力している教会の1つでは60人の方々が亡くなられ、300人が家を失いました。私たちは毎日24時間、すべての協力団体と緊密に連携し、彼らをサポートする最善の方法を模索しています。また、政府や他の機関とも協力して、必要な支援や対応を検討しています」
キリスト教主義の国際NGO「ワールド・ビジョン」の国内ディレクターであるジェームス・チフウェル氏は、多くの命が失われてしまったことに動揺していると語った。また、「さらに気がかりなのは、学校に通う多くの子どもたちが、残念なことに土砂崩れに巻き込まれ、多くの子どもたちが家を失い、孤児になっており、今後数日間、食糧や着るものもないままになることです」と続け、「この状況にあって、緊急の行動が求められていることは明かです」と述べた。