日本基督教団駒場エデン教会名誉牧師で、小野派一刀流第17代宗家の笹森建美(ささもり・たけみ)氏が15日午後5時50分、多臓器不全のため召天した。84歳。葬儀は親族や関係者のみで行い、告別式は8月26日(土)午後2時から青山学院ガウチャーホールで行われる。喪主は妻の在子(ありこ)さん。
笹森氏は1933年、青森県に生まれた。父親は、メソジスト弘前教会(現日本基督教団)で洗礼を受け、戦前は東奥義塾塾長や青山学院院長を務め、戦後は衆議院議員として片山内閣の国務大臣にもなった順造氏。弘前藩に伝わった小野派一刀流剣術を学んだ後、小野派一刀流第16代宗家となった。小野派一刀流剣術とは、室町時代、伊藤一刀斎景久によって創始され、代々、将軍家や弘前藩などに伝わった日本剣法の代表的流儀。三男の建美氏がその後を継いだ。
笹森氏は幼少期から父親に武術を習い、75年に小野派一刀流第17代宗家となった。また、早稲田大学文学部哲学科、青山学院大学文学部キリスト教学科を卒業後、米国に渡り、デューク大学大学院神学部、ハートフォード神学校ポストグラジュエートコースを修了した後、ニューヨーク日米合同教会を牧会し、69年に帰国。駒場エデン教会(東京都世田谷区)牧師、青山学院中等部の宗教主任を務めるとともに、武術指導とその普及にも尽力した。カルフォルニア神学大学院名誉神学博士。
『武士道とキリスト教』(新潮新書)の他、『パウロ―神に召された人』『神の子イエス・キリスト』『神のオーケストラ』『旧約聖書に聞く』(日本キリスト教団出版局)、『神への道・神からの道』(キリスト新聞社)、『祈りと讃美の詩』(キリスト新聞社出版事業課)など、著書多数。