39歳のとき肺結核で亡くなったとされる19世紀のポーランドの音楽家フレデリック・ショパンの死因が「嚢胞性線維症」だと主張する医学研究者らが、同国の文化省にショパンの心臓のDNA鑑定を求めていたが、同省当局者らが鑑定の要求を拒否することを明らかにした。AP通信が26日伝えた。
ショパンの心臓は、その遺言によりワルシャワにある聖十字教会に埋葬されている。第二次世界大戦中に教会堂の3分の1はナチスによって破壊され、ショパンの心臓も持ち出されたが、戦後教会は修復され、ショパンの心臓も元に戻された。なお、遺体はパリのペール・ラシェーズ墓地に埋葬されている。
嚢胞性線維症の専門家、ウォイチェフ・シシイ氏は、ショパンの幼少時代からの「虚弱体質、肺感染症にかかりやすい体質、ぜんそく、せき」などの症状は嚢胞性線維症に典型的なものだと主張し、ショパンの死因が嚢胞性線維症であったことを立証できれば、同じ病で苦しむ患者、特に子どもにとっては、「自分だって大きなことを成し遂げられるんだという大きな勇気になる」と語っていた。
今回の要求が不許可に終わった理由として、決定に関わった一人の専門家は、鑑定を求めていた研究者らが、DNA検査が成功する可能性を論証できなかったことを挙げている。