【CJC】教皇フランシスコは13日、カトリック教会の記念日として、「貧しい人たちの日」を新たに制定した。バチカン放送(日本語電子版)が報じた。
教皇は、「いつくしみの特別聖年」の終了後、カトリック教会に「世界貧しい人たちの日」(仮訳)を設け、全世界のキリスト教共同体が、最も貧しく助けを必要とする人たちへのキリストの愛をより具体的に証しすることを願った。
「貧しい人たちの日」は、カトリックの典礼暦の年間第33主日に定められた。第1回に当たる今年2017年度は、11月19日に行われる。
教皇は「貧しい人たちの日」制定に当たり、メッセージを発表。貧しい人たちと分かち合うことが福音の最も深い真理の理解につながるよう祈った。
メッセージの冒頭で教皇は、「子たちよ、言葉や口先だけでなく、行いをもって誠実に愛し合おう」という、ヨハネの手紙一3章18節を引用。キリスト者に必要なのはむなしい言葉ではなく、具体的な行いであると述べた。
貧しさは、キリストの弟子にとって「貧しいイエスに従う」という「召命」でもあることを忘れないよう、教皇は指摘。貧しさとは、自分の限界と罪の状態を認めることができる謙遜な心、幸福の条件としてお金や成功を求めない心でもあるとした。
教皇は、今日の社会で「貧困」を明確に定義することは難しいが、それでも貧困は、疎外や暴力、拷問、囚人生活、戦争、自由と尊厳の欠如、無学、医療危機、失業、人身売買、亡命、強制移住などに苦しむ非常に多くの顔となって、毎日私たちに訴えていると指摘した。