明治学院大学(東京都港区)は5月24日、難民を対象とする推薦入学制度「UNHCR難民高等教育プログラム」の新たなパートナー校となる協定を、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)および国連UNHCR協会と締結した。
この協定により明治学院大学は、来年4月より毎年1人の難民学生を受け入れることになる。入学金・学費の全額免除に加え、毎月の生活に要する費用の一部相当額を修学助成金として支給し、日本での学業生活を支援していく。
同大で行われた調印式には、UNHCR駐日代表のダーク・ヘベカー氏、国連UNHCR協会理事長の滝澤三郎氏、同大学長の松原康雄氏が出席して協定書に署名した。
ヘベカー氏「2006年にこのプログラムが開始されて以来、現在は22名の難民学生が日本の大学で学んでいるが、今回、同大が加わり、嬉しく思っている。新たに難民学生が1人受け入れられることで、本人の将来はもちろん、その家族にも大きな希望がもたらされ、周囲の学生にも大きな影響を与えるだろう。昨年、日本に庇護を求め、難民申請をした人数は過去最多であることを考えると、ニーズがさらに高まってゆくことは自明であり、その観点からも将来的に関係をより深められることを楽しみにしている」
滝澤氏「同大の教育理念“Do for Others”を体現する新しいプログラムが加わり、嬉しく思う。タイやヨルダンの難民キャンプでは若者が将来への希望を見いだせず悩んでいるが、難民として日本に来られた人々は、大学での教育を受けられるこのプログラムを夢のようだと喜んでいる。生き延びてたどり着き、学び始めた難民学生は、周囲の学生の視野も広げ、学ぶ意欲やインスピレーションを与える。同大が推進する『内なる国際化』プログラムにもつながる事業だ」
松原氏「本学の『内なる国際化』プロジェクトがきっかけとなり、昨年夏より受け入れについての検討や準備を開始した。本学らしいこのプログラムに参加でき、嬉しく思う。本学の大学生のみならず、明治学院中学校や2つの高等学校の生徒にも良い影響が生まれると思う。実質的なプログラムとなるよう準備を進めていく」
UNHCR難民高等教育プログラム(Refugee Higher Education Program:RHEP)は、日本に住む日本国籍を持たない難民が、奨学金を受けながら日本の4年制大学で修学できるようサポートするプログラム。現在このプログラムに参加する大学は、明治学院大学をはじめ、関西学院大学、青山学院大学、明治大学、津田塾大学、創価大学、上智大学の7つの大学となっている。