日本聖書協会が主催する「第9回聖書クイズ王決定戦・神奈川」が5月27日、藤沢リラホール(神奈川県藤沢市)で行われた。初めての開催となる神奈川を舞台にして、個性あふれる9チームが「聖書クイズ王」を目指して熱い戦いを繰り広げた。見事に優勝したのは、日本福音教会連合会所属の「神のみことばは喜び、力」(チーム名)で、賞品として、2泊3日のユニバーサル・スタジオ・ジャパンへの旅を勝ち取った。2位は、地元、藤沢オリーブチャペルの「エルム」(同)が入賞し、図書カード3万円分を獲得した。
「聖書クイズ王決定戦」は、クイズを楽しみながら聖書の世界に親しみを持ってもらい、広く聖書愛読を推奨することを目的として3年前に始まった。第1回の東京大会を皮切りに、九州、北海道など各地で開催され、毎回、親子、家族、学校の友人同士、教会学校の教師など、さまざまなグループが3人1組で参加し、○Ⅹ、選択、ビジュアル、筆記問題と、さまざまな形式から出題されるクイズに、チームで協力し合いながら挑戦してきた。今回も、神奈川だけでなく、東京、千葉の教団教派を超えた教職者と信徒、若者たちが参加し、日頃の成果を競った。
「イエスが故郷ナザレで奇跡を行わなかったのはなぜ」「エゼキエルが語っていない預言は」など、クイズは聖書のあらゆる箇所から出題されるため、聖書全体を精読していることが優勝の大きなポイントになる。ただ出題には工夫が凝らされているため、注意しないと「引っ掛かる」こともある。また、予選ステージは休憩なしの1時間という長丁場のため、知力だけでなく、体力と集中力も要求される戦いとなった。その一方で筆記問題では苦し紛れの珍回答もあり、会場の笑いを誘った。
大会では、予選ステージの後、一般観覧者もクイズに参加できる特別企画の個人戦も行われ、気軽な力試しを全員で楽しんだ。決勝ステージは、スピードが鍵となる早押しクイズで、その白熱した戦いに会場は大いに盛り上がった。予選では僅差で決勝に進んだ4チームだが、優勝したチームの1人は、これまでもテレビのクイズ番組に出演したことのあるつわもので、早押しでは他のチームを引き離した。その男性に話を聞いたところ、「予選を勝ち抜いた時に、ここまで来たら優勝を狙おうと決めていたので、すごくうれしいです」と勝利の感想を語ってくれた。U21枠(3人とも21歳以下のチームは決勝に優先的に上がれる仕組み)で決勝に勝ち進んだ女子中学生たちの健闘も光った。
聖書クイズ王決定戦では今後、全国各地の聖書クイズ王を選出した後に全国大会を開催し、グランド・チャンピオンを決めて行く予定。オープニングであいさつした日本聖書協会の渡部信(わたべ・まこと)総主事は、「初めて開催される神奈川から優勝者が出てほしい」とエールを送った。次回は7月17日(月・祝)に広島で第10回大会を開催する。
聖書クイズ大会は海外でも多くの国で開催されており、2018年7月7日には、「聖書クイズ王世界大会」がチェコ・プラハにて開催が予定されている。渡部総主事は、「そちらにもぜひ参加してほしい」と力を込めた。
この日、決勝ステージ前のハーフタイムで、クリスチャンのシンガー・ソングライターのYURIEさんによるミニコンサートも行われた。女子聖学院中学高等学校卒業後、昨年2月にアルファトラックス(クリスチャン音楽事務所)からCD「GRAND」でデビューしたYURIEさんは、現在、その純粋でひたむきな信仰と、確かな歌唱力で注目が集まる期待のアーティストだ。ステージでは、「The Gospel is Truth」「LEAD」「GRAND」を披露するとともに、これまでの道のりについても語った。
中学生の頃からボーカルをはじめ多くのレッスンを受け、歌手としてデビューすることを夢見ていたYURIEさん。最初のデビューの話が来た時、それが歌手の道とはほど遠い内容のものであり、ショックと怖さのあまり歌うことをやめてしまったという。その後、YURIEさんを襲ったのは失望感だった。
「明日生きるために何かがほしい」と思った時に頭をよぎったのが、ミッションスクールの朝の礼拝で聞いた御言葉だった。在学中は「自分には関係ない」と思っていた神様の言葉が、自分に語られていたことをはっきり受け取ったという。
「自分の夢を偶像にして追いかけていたことを悔い改め、神様のもとに行きたい」と、高校を卒業した年のイースターに洗礼を受けた。神学校に進もうと思い、神様に書いたたくさんのラブレターが歌になった。それらがアルファトラックスの社長の目に留まり、デビューへとつながった。「初めの夢が、神様によって大きな夢に変わっていました」
最後にYURIEさんは、神様への思いがつまった「GRAND」を歌った。
「神様にいつまでもついて行きたい
空高くあなたのために歌いたい」