アルゼンチン中部の都市メンドサにあるカトリック系の施設で、聖職者らが未成年者に性的虐待を行っていたとされる問題で、施設で働いていた日本人の修道女、コサカ・クミコ容疑者(42、漢字不明)が4日、虐待をほう助した疑いで逮捕された。コサカ容疑者は容疑を否認している。共同通信などが伝えた。
報道によると、性的虐待があったのは、聴覚障がいのある子どもたちのための施設。聖職者のニコラ・コラディ被告(82)ら40〜80代の男5人が、4〜17歳の少年少女、少なくとも27人に性的虐待を繰り返していたとして、逮捕・起訴されている。男5人のうち聖職者は2人。
この施設では、2005年〜16年の12年にわたり、性的虐待が行われていたとみられており、地元当局が告発を受け、今年2月に施設を閉鎖している。コサカ容疑者は3月に指名手配され、今月2日、首都ブエノスアイレスの司法当局に弁護士を伴って出頭した。コサカ容疑者は07〜13年ごろ、施設に住み込んで働いていたとされている。
米FOXニュース(英語)によると、コサカ容疑者は日本出身だが、アルゼンチンの市民権を持っているという。4日に行われた法廷審問は8時間に及んだが、容疑のすべてを否認。逮捕・起訴された別の聖職者、ホラシオ・コルバチョ被告(55)から性的虐待を受けた少女が、被害後に多量の出血を覆い隠すよう、コサカ容疑者におむつをはかせられたと告発したことで、捜査が行われていたという。
コラディ、コルバチョの両被告は昨年逮捕された後、公の場での発言はなく、現在はメンドサの拘置所で勾留されている。一方、コラディ被告は過去にも、イタリアの同様の施設で子どもたちに性的虐待を行った疑いで告発されていたという。