【ロンドン=CJC】中国で印刷された聖書と福音書パンフレットが今夏の北京五輪の選手村で配布可能になった、と英聖書協会が発表した。これまで中国政府が五輪大会中での宗教活動を禁止すると伝えられていただけに注目される。
英聖書協会が各国聖書協会の協力を得て経費40万ドル(約4200万円)を支援、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの福音書5万冊が中国語と英語で印刷される。中英両語併載の旧新約聖書1万冊と新約聖書3万冊も提供することが北京五輪組織委員会で承認されたという。また組織委は福音書に五輪ロゴを使用することを無償で認めた。
今回の決定は、南京の愛徳印刷所の新施設開設式の際、中華基督教会(プロテスタント)三自愛国運動全国委員会のフー・シャンウエイ委員長によって発表された。新印刷設備は、年間1200万冊の聖書印刷が可能。五輪に間に合うよに福音書を印刷するという。
英聖書協会のジェームズ・キャットフォード代表は、「北京五輪のために聖書や福音書を刊行することで、中国の教会を支援出来る。スポーツの偉大な祭典は、全中国と全世界から集まる多数の選手と観客に、生命を変える聖書のメッセージを届ける特別な機会だ」と語った。
8月8日に始まる五輪大会には観客200万人、選手1万6000人と見積もられている。礼拝所も、選手村の中に設置された。北京の教会が、礼拝や祈りのために協力を依頼されている。福音書は北京の他、各種競技の行われる青島、上海、瀋陽、天津、秦皇島の教会でも提供される。