オーストラリアで3番目に大きなキリスト教の教派であるオーストラリア連合教会(UCA)が、その40年の歴史の中で、2500件余りに及ぶ児童性的虐待に関する申し立てを受け、被害者への賠償金の支払額は20億円近くに上ることが明らかになった。
オーストラリアの児童性的虐待に関する王立委員会の調査で明らかになったもので、英ガーディアン紙(英語)などが10日に伝えた。同紙によると、長老派、メソジスト派、会衆派が合同して1977年に誕生したUCAは、この40年間で2504件の性的児童虐待に関する申し立てを受け、被害者への賠償金の支払額は1750万ドル(約19億7千万円)に上り、255件の民事訴訟で損害賠償請求を受けたという。
約100万人の会員を抱えるUCAは、オーストラリアではカトリック教会、聖公会に次いで大きな教派。64の学校と179の関連団体を運営しており、従業員は4万人、ボランティアは3万人に上る。
オーストラリアのニュースサイト「news.com.au」(英語)によると、UCAのステュアート・マクミラン会長は、「私たち、そしてこの私自身も、自分たちがキリスト教の価値観に従って、これらの子どもたちを守らず、助けなかったことを深くお詫び致します」と謝罪。「私は、虐待が若い人々の人生に与えた影響を認めるとともに、本当に申し訳ないと言いたいです。被害者への私たちの献身は、私たちが償いをすることを求め、そして他の人々が、皆さんが経験したのと同じ仕方で決して苦しまないようにすることです」と続けた。
同委はこの日、UCAのほか、エホバの証人からも過去の児童性的虐待について、どのように対応したかを聴取した。エホバの証人は、虐待の申し立てがあった加害者とされる人が1006人いたことを報告した。オーストラリアでは現在、同委が国内の大型組織に対して、これまでに発覚した児童性的虐待の実態調査を行っており、救世軍やYMCAなどのキリスト教の他の教派や団体も調査を受けている。