アングリカン・コミュニオン(全世界聖公会)環境ネットワーク(ACEN)議長のエリーナ・ワムコヤ主教は、レント(受難節)の期間中に「炭素断食」に参加し、自身の日々の行動が環境にどのように影響を与えるかを吟味し、熟考するようにと人々を招いている。
アフリカ南部の国スワジランドの教区主教であるワムコヤ主教は、「私たちは地球の一部であり、私たちは塵(ちり)に過ぎないのです。もし地球が私たちを誕生させたなら、私たちは地球の世話をしましょう。そして生命が確実に続くよう、私たちの炭素排出量を減らしましょう」と呼び掛けている。
炭素断食のキャンペーンは、環境を保護し、持続可能な世界に向けた第一歩になることを願い、レントの期間中(2017年は3月1日〜4月15日)、人々が二酸化炭素の排出量を減らすささやかな対策を講じることができるように計画された。
南部アフリカ聖公会環境ネットワーク(ACSA−EN、通称「グリーン・アングリカンズ」)は、環境保護を意識したレント用のカレンダー(英語)を作成。その中では、有機栽培の食物を購入することから、普段よりも少なく肉を食べること、家電のプラグを抜いて電気を切ることや自転車で通勤することまで、被造物へのダメージを少なくすることを助ける日々の行動が提案されている。また、水を無駄にしないよう、スプリンクラーではなくじょうろを使用したり、家の排水管に水漏れがあれば、修理したりすることなども紹介されている。
ワムコヤ主教とACENの他のメンバーたちは、レントの期間中の日曜日に用いるための黙想も用意している。今年は「水の正義(Water Justice)」の問題に関係した内容となっている。この黙想は英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語で読むことが可能で、「トリニティー・チャーチ・ウォール・ストリート」と共同で作成された。詳細はこちら(英語)で見ることができる。
炭素断食の呼び掛けには、アングリカン・コミュニオンの一員である南インド教会(CSI)や、グリーン・アングリカンズなど他の諸団体も賛同している。CSI議長で、アングリカン・コミュニオンの環境担当主教であるトーマス・オーメン主教は、レントの40日間を悔い改め、内省、神の被造物へのダメージを減らす行動の時とするように呼び掛ける書簡(英語)を公表している。
オーメン主教は書簡で、「炭素断食は私たちの日々の行動を検討し、それらが環境にどのように影響を与えるかを熟考させる挑戦です。炭素断食は、私たちがこの世界をより持続可能なものとするためのささやかな対策――その幾つかは二酸化炭素排出量を減らし、他のものは環境を保護するでしょう――を講じるようにと挑戦します。そのプロセスにおいて、私たちは神、神の被造物、そしてお互いとの間で、それまでとは違った関係を再発見するでしょう」と述べている。
また、「以前よりも温かな気温、繰り返される洪水と日照り、海面上昇などにより、ここインドで、私たちは気候変動を確かに認識しています」とコメント。「気温や海面の上昇は農業、漁業、地域社会の発展、私たちの生態系と海岸線の保護にとって重要である動植物に悪影響を与えるもので、望ましくありません」と述べ、気候変動による悪影響について触れた。
その上でオーメン主教は、レントの期間中、それぞれの教会内でグループを作り、▽生活を簡素化、▽食物と森林、▽エネルギーと交通、▽節水、▽削減、再利用、リサイクル、などの重要なテーマについて話し合うよう促した。