【CJC=東京】世界代表司教会議(シノドス)第12回通常総会の討議要綱が、6月12日、バチカン(ローマ教皇庁)シノドス委員会より発表された。今回のシノドスは2006年10月6日、教皇ベネディクト十六世によって召集された。テーマは「教会生活と宣教における神のみことば」。バチカンを会場に今年10月5日から26日まで開催される。討議要綱は3部から構成され、第1部(全3章)「わたしたちに話しかける神の神秘」、第2部(全2章)「教会生活における神のみことば」、第3部(全3章)「教会の宣教における神のみことば」となっている。
バチカン放送(日本語電子版)によると、討議要綱発表にあたり、シノドス委員会議長ニコラ・エテロヴィッチ大司教は、聖書は世界で最も普及している書物であるにもかかわらず、実際には多く読まれず、正しく理解されていないことを指摘している。
聖書に対する正確な教会的解釈のためには、伝承と聖書、教会の教えの関係についての適切な考察が必要であり、この代表司教会議が神のみことばへの知識と愛を高めるものとなるように、と大司教は強調した。
また大司教は、このシノドスでは命のパンとしてのみことばと聖体の一致をあらためて示すと共に、みことばが交わりを育て、必要としている人々への愛の業を生み、キリスト者が無償で受け取ったものを他の人々と分かち合うために宣教へと心を開いていくように、神のみことばに耳をかたむけることの大切さを考えたいと述べた。
さらに、他のキリスト教教会や諸宗教との対話の上で聖書が持つ重要性や、西洋をはじめ多くの文化の中で真のヒューマニズム追求において共通の基礎とされている聖書の役割も考察されるだろうとしている。