ナイジェリア当局は、同国のイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が民間人に対する自爆テロで乳児を使い始めており、女の戦闘員らが発見されることを避けるために乳児を抱くなどして利用していると警告した。
英BBCによると、ナイジェリア北東部のアダマワ州マダガリでは13日、乳児を巻き込んだ自爆テロのような攻撃が発生した。爆発は、乳児を抱いて母親に見せ掛けた2人の女が、自警団の検問所を通過した時に発生。当局によると、ボコ・ハラムの女戦闘員2人が自爆して死亡し、爆発で乳児2人と他の4人も死亡した。
また、他の自爆テロ犯の女2人もいたが、子どもを抱いていなかったため、検問所で止められ、そこで自爆したという。
ボコ・ハラムは、2009年以降、ナイジェリアから全てのキリスト教徒を追放すことを掲げ、テロ攻撃を同国内で実行している。また、自爆テロでは、誘拐した少女たちを多数利用していると伝えられている。
14年には、同国北東部のボルノ州チボクで200人以上のキリスト教徒の女生徒たちを誘拐。昨年12月には、同州の州都マイドゥグリで56人が死亡する自爆テロが発生し、誘拐した女生徒たちを自爆テロに利用したのではないかという恐れが高まった。
迫害監視団体「国際キリスト教コンサーン」(ICC)は、その攻撃に使われた2人の10代の少女2人は、近くのサンビサ森林地帯から来た可能性があると伝えた。サンビサ森林地帯には、チボクで誘拐された女生徒たちの多くが捕虜にされていると考えられている。
ICCは当時、「(昨年12月の自爆テロで利用された)彼女たちが、チボクの少女たち、あるいはボコ・ハラムによって捕らえられ、洗脳された他のキリスト教徒の少女たちの1人であるという推測はあり得ないことではありません。ボコ・ハラムが、少女たちを簡単に使い捨てにするのは明らかなことです。100人以上の少女たちが、他者を殺害するためにボコ・ハラムによって利用され、彼女たち自身も死にました」と伝えていた。
また、「私たちは、ナイジェリアの多くの家族のために祈ります。彼らは誘拐された娘たちについての知らせを待ちつつ、彼女たちの1人が混雑した市場で自分自身を吹き飛ばすかもしれないという恐れの中で生きているのです」と伝えていた。
ボコ・ハラムからかろうじて逃れることができた一部の女性や少女たちは、誘拐されていた間の恐ろしい経験を明かしている。
アミーナさん(仮名、20)は英日刊紙「デイリー・ミラー」の取材に応じ、15歳でボコ・ハラムに捕らえられ、すぐにサンビサ森林地帯の女生徒200人が捕らえられている場所に連れて来られたと語った。捕虜だった5年間に、アミーナさんは3人の兵士たちと結婚させられ、それぞれの男たちによって強姦(ごうかん)され、妊娠させられた。アミーナさん自身は自爆テロをするよう強いられなかったが、他の少女たちは強要されていたという。
アミーナさんは3人の子どもたちと一緒に逃げたが、1人は途中で死んでしまい、今は2人だけが生き残っているという。