中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区西部で聖書研究会を開いた中国人女性が、「群衆を集めて公共の秩序を乱した」として、有罪判決を受け、懲役3年を宣告された。
迫害監視団体「チャイナエイド」が1日に報告(英語)したところによると、マ・フイチャオさんは、他のキリスト教徒4人と共に、政府の許可なしに聖書研究会を開き、集まっていたとして、共産党当局から告発され、警察に連行された。
マさんの弁護士は、彼女を弁護することを許されなかったとみられており、3年の懲役刑は既に昨年12月30日から始まっているという。
中国は、非政府系の地下教会やキリスト教徒の集会を厳しく取り締まっており、過去数年間に、「公共の秩序を乱した」などと類似の理由で逮捕された牧師やキリスト教徒は数百人に上る。
昨年10月からは「改正宗教事務規定」が発効し、より厳しい禁止事項が追加された。同規定では、「海外における宗教的な訓練およびカンファレンス、または活動のために、市民を組織すること」「説教、宗教的活動の組織、宗教的施設の設立や学校内に宗教的な場を設置すること」「インターネットを通じて宗教的なサービスを提供すること」などを禁止しているという。
中国政府はまた、建築法に違反するとし、教会の屋根に付いている十字架の解体を強行。キリスト教の擁護団体らは、自国のキリスト教の成長を抑圧するための共産政権によるもくろみだと反発している。
チョウという名の牧師は昨年9月、チャイナエイドに対し、「政府は全てを支配下に置きたいのです。たとえほんの小さなことであってもです。この改正の特徴の1つは、地域社会にまでも及ぶ地方政府の権限強化です」と述べ、「今回の改正は、中国における宗教統制の緩和の可能性をさらに小さくすることになるでしょう。ますます難しくなっています」と語っていた。
昨年10月、11月には、「邪悪なカルト」に所属しているとして、キリスト教徒数人が逮捕されている。逮捕された人々は容疑を否認しており、チャイナエイドによると、逮捕された人数は明らかにされていないが、一部の人は既に釈放されているという。
仕事のため雲南省に引っ越し、地元の教会に通うようになったトゥ・ヤンさんは昨年10月22日、教会の集会から帰宅するところで、「法律の実施を妨害する宗教団体を利用した」との容疑で逮捕された。
チャイナエイドはトゥさんについて、「1カ月後、彼女は同じ罪で再逮捕されました。当局はまた、彼女が2つのいわゆる『邪悪なカルト』の中心メンバーであり、3つの団体を組織していると非難しました。インタビューの中で、彼女の父親は、娘のカルト活動への一切の関与を否定しています」と伝えている。
キャンプを開いていたキリスト教のリーダーたちもまた、キリスト教について教えたことが、子どもたちへ対する「洗脳」だとして、逮捕されている。昨年8月、新疆ウイグル自治区で2人の聖書教師が逮捕されたがその一例だ。
チャイナエイドは、「2人の女性たち(聖書教師)は、迷信的な信条を未成年者に教え込んだとして、告発されました。中国の法律では、18歳未満への宗教教育を一切禁じており、信仰的なことは危険な洗脳であり、それらから子どもたちを守らなければならないとされています」と伝えいる。