エジプトの首都カイロにあるコプト正教会で11日、礼拝中に爆破攻撃があり、少なくとも25人が死亡、49人が負傷したとロイター通信が伝えている。死者には少なくとも6人の子どもが含まれており、爆発は通常女性が使用している席のそばで起きたとしている。
コプト正教徒に対する攻撃は、エジプト国内でもたびたび起きているが、今回の攻撃は近年で最大規模となった。イスラム教徒が圧倒的に多いエジプト国内において、コプト正教徒は人口の約10パーセント程度を占めるキリスト教の一派だ。今回の攻撃に関して、過激派組織「イスラム国」(IS)が13日、犯行声明を発表した。
一方、ローマ教皇フランシスコは、再び起こった惨劇に対して、「残虐なテロ攻撃」が発生したとして非難した。また、死者と負傷者のために祈っていると表明した。
京都府にある日本で唯一のコプト正教会「聖母マリア・聖マルコ・コプト正教会」に、オーストラリアから来日中のアルセニアス司祭に話を聞いた。
アルセニアス司祭は11日の夜、日本に向かう途中の乗り継ぎ地点であった香港で、このニュースを聞いたという。日本に滞在中は、エジプトからの情報があまり入ってきていないというが、報道などを通してコプト正教会の同胞たちが大きな被害に遭ったと聞き、胸を痛めている。
アルセニアス司祭は被害の規模に驚きながらも、この爆破によって天に召された信徒たちを思い、「非常に残念に思う。しかし、彼らは今、神のみもとにいる。それは喜ばしいことだ。遺された家族は、きっと寂しさもあるだろうと想像する。特に子どもを失った母親、父親、両親を失った子どもの悲しさは想像を絶するものだろう。しかし、イエス様が共にいてくださるという強い信仰が彼らにもあると私は信じている。また、負傷した人々に対しては、これからもしかしたら、けがを負ったことで困難なこともあるだろう。しかし、そのことを通して、信仰が強められるでしょう」と話した。
また、攻撃を加えた相手に対しても、「私たちがイエスにあって、光を見ているのと同じように、彼らも早くイエス様の愛を受け入れることができるようにと祈っている」と話した。
最後に「日本のクリスチャンの皆さん、互いに祈り合いましょう。主が私たちにしてくださった約束を信じ、信仰を持って歩んでいきましょう」と話し、御言葉を示した。
「これらのことを話したのは、あなたがたがわたしによって平和を得るためである。あなたがたには世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている」(ヨハネ16:33)