『誰のために愛するか』(青春出版社)という本の中で、曾野綾子さんは、愛について考えています。彼女は、この世の中で、愛という言葉程、難しく判りにくい言葉は無いと言います。彼女は、「結局、その人のために死ぬ事が出来るなら、それが本当の愛である」と考えました。
更に、曾野綾子さんは、こんな話をしています。「それは、何よりも不思議な愛だと思うのですが、こんな愛があります。それは、愛する人ではなくて、愛せない人を、愛する愛があるという事です」、この愛を、あるカトリック修道院の女性から教えられました。後に彼女は、この修道院の女性が語っていた愛は、イエス・キリストの愛であったという事に気づきます。聖書に、『人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない(ヨハネ一五・一三)』と書いてあるのは、この方の事をさしています。