映画「タクシードライバー」や「ディパーテッド」で知られるアカデミー賞受賞監督のマーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の小説『沈黙』を完全映像化した映画「沈黙-サイレンス-(原題:Silence)」の米国版予告映像が、28日に待望の解禁となった。アンドリュー・ガーフィールド演じる若き宣教師ロドリゴが、無人となった村に1人たたずんで独白するシーンで幕を開け、緊迫感ある音楽の中、リーアム・ニーソン演じる神父フェレイラが雲仙の山中で絶望しうなだれる姿も確認することができる。
ポルトガルの教会で、「フェレイラが棄教した」ことを告げられる若き2人の宣教師。「あり得ない。日本での布教に生涯をささげておられた」と愕然(がくぜん)とするガルペ(アダム・ドライバー)と、「すぐに彼を見つけ出さないと」と日本に向かうことを決意するロドリゴだ。2人は師と仰ぐフェレイラの真実を確かめるために、「かの地、日本では苦難が待ち受けている」という言葉に送り出され、江戸時代初期の激しいキリシタン弾圧の中にある日本へと向かう。
キチジロー(窪塚洋介)に導かれ長崎に到着した2人は、神を信じる人々に"藁(わら)で作った十字架"を授け、隠れながらミサを行う。だが、2人がかくまわれたトモギ村に、井上筑後守(イッセー尾形)による執拗な追及が迫る。「君たちを待っているのは苦痛だ」と告げる井上筑後守による激しい弾圧は、隠れキリシタンである村人たちと、危険な使命に身を委ねたロドリゴをさらに激しく追いつめていく。
音楽の緊迫度が増し、やせ細ったガルペ、囚(とら)われたフェレイラ、神に祈りをささげる村人たち、十字架にはりつけにされて海にさらされるモキチ(塚本晋也)、懺悔するキチジロー、したたかにほほ笑む通辞(浅野忠信)らの姿が次々と映し出され、ロドリゴに運命の瞬間が間近に迫っていることを予感させる。若き宣教師ロドリゴが見た想像を絶する日本とは――。そして、彼が下す衝撃的な決断とは――。「主よ、あなたはなぜ、黙ったままなのですか」と静かに神に問うロドリゴの表情から、その心の内をどのように読み取ればよいのだろうか。
アカデミー賞最有力と注目される本作は、まさにハリウッドと日本の情熱・技術・才能が融合した歴史大作。米国ではパラマウント・ピクチャーズから12月23日に限定で公開され、2017年1月に全米拡大公開予定。日本では、2017年1月21日(土)から全国で公開される。
■ 映画「沈黙-サイレンス-(原題:Silence)」米国版予告編映像