世界の子どもを支援する国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(以下WVJ、東京都中野区)は、イラク軍が17日に開始したモスル奪還作戦を受け18日、2014年以来の内戦を経てさらなる戦闘にさらされる子どもたちが、身体的、心理的に深刻な影響を受けることを懸念し警告を発した。WVJは、市民がモスルから避難する際の安全を確保するなど、人道的配慮がなされることを求めるとともに、今後見込まれるモスルからの避難民増加に備え、支援体制の拡充を進めているという。
14年から過激派組織「イスラム国」(IS)に支配されているイラク北部のモスル。今回の大規模な軍事作戦では、多くの住民たちが戦闘に巻き込まれるのではないかと危惧されている。
ワールド・ビジョン・クルド自治区の事業マネージャー、カリル・スレイマン氏も「何年もの専門的な支援を必要とするだろう」と懸念している。「子どもたちは、身1つで、空腹で、喉を乾かせ、早急に医療を必要とする状態で逃げてくることが予想される。また、戦闘は、子どもたちの心身の健康に多大な悪影響を与える。身に起きたことを受け止め、日常を取り戻し、正常な状態に戻るまでには、何年もの専門的な支援を必要とするだろう」
ワールド・ビジョンは、14年8月にイラクの人道危機に対して支援を開始し、クルド人自治区で暮らす約100万人に安全な水、保健サービス、教育プログラム、食糧配布などの支援を届けてきたが、引き続きイラクの状況を注視し、迅速な支援を行っていく方針だ。
今回のモスル奪還作戦により、最悪の場合、避難民は100万人もの規模に達することが予想されるが、それに備えてワールド・ビジョンは、国際機関と連携し、緊急人道支援の準備を整えている。現在は主に、緊急物資支援の調達と保管を24時間体制で進めるとともに、子どもたちが安心して過ごせる場所(チャイルド・フレンドリー・スペース)の準備に取り掛かっているという。
イラク国内避難民緊急支援募金も受け付けている。振り込みは下記まで。
<クレジットカード>
WVJのホームページから。
<郵便振込先>
郵便振替口座:00140-4-900664
受取人:特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン
※ 「イラク緊急支援のため」と明記すること