尚絅(しょうけい)学院大学(宮城県名取市)はこのほど、同大大学院総合人間科学研究科に「人間学専攻」を新たに設置することを発表した。開設は2017年4月。人間の「共生」に関する問題について多方面から総合的に研究し、現在の知識基盤社会を支え、また構築し得る人材を育成する。
同研究科は、人間を「こころ」と「からだ」の統合という視点から捉え、人間の健康な生活の営みに関わる諸問題を科学的に研究し、これを実践に生かすことを目的に開設された。すでに「心理学専攻」と「健康栄養科学専攻」が設置されており、「人間学専攻」は3つ目の修士課程となる。
人間学専攻では、4年間の学部教育の土台の上に、さらに人間の「共生」に関する問題を人間の文化や社会、歴史という視点から、人間の存在に関わる基本的な学問である宗教学、キリスト教学、哲学、倫理学などによって、さらには社会学、教育学、経済学などの隣接学問も視野に入れて、総合的に研究することを目指す。
人間学専攻の前期入学試験は10月22日(土)に行われる。後期入学試験は来年2月11日(土)で、出願期間は1月25日(水)~2月2日(木)必着となっている。一般選抜、社会人選抜(受験時に有職・非有職であるかを問わず、社会経験2年以上の人を対象)、特別選抜(教会推薦)に分かれている。詳細は同大のホームページ。
尚絅学院は、1892年に米国のバプテスト派教会が派遣した女性宣教師たちによって創設された。その教育は、授業や行事など全ての教育活動がキリスト教の精神に基づいて行われ、聖書を通して愛と奉仕の心を育み、社会の中で「他者と共に生きる」ことを学んでいく。
同大大学院についても、「キリスト教の精神に基づき人格の陶冶(とうや)を目指し、教育基本法および学校教育法の規定するところに従い、高度にして専門的な学術の理論および応用を教授研究し、清新な学識と研究能力を養うことによって、広く文化の向上と人類の福祉に貢献できる人材を育成する」ことが学則第2条に定められている。