「イエスに従う無神論者」を自称する著者が、信仰を持たない人にイエス・キリストの教えがどのように役立つかを記した本を出版した。著者によれば、イエスの知恵と教えは、他の著名な霊的指導者の追随を許さないそうだ。
出版されたのは、『イエスに従う無神論者の告白:信じない者がイエスの教えに学べること(原題:Confession of a Secular Jesus Follower - Finding Answers in Jesus for Those Who Don’t Believe)』(英語)。10月4日に発売された。人生の案内人としてのイエスの教えを、無宗教の人が活用することを願っているという。
著者のトム・クラッテンマーカー氏は、米USAトゥデイ紙の協力コラムニストであり、米エール神学校広報課の責任者でもある。クラッテンマーカー氏は、無宗教の人が利用できる知恵は、イエスの生涯の中に豊富にあると言う。
ウェブ上で公開された著書の抜粋では、イエスは「傑出した知恵と不思議な感動をもたらす人物で、人生の方向性や周囲の人との接し方について、考え直す機会を与えてくれます」と述べている。
「イエスの話に耳を傾けていると、私は自分の気前の悪さを見直し、自分本位の心配事や思い込みから抜け出さざるを得なくなります。以前の私は、取るに足らないと思う人をさげすんでいましたが、イエスのインスピレーションのおかげでそのような態度を取らなくなりました」
「イエスのメッセージや人への対処法は、私の問題だけでなく、現代社会の病相や悪癖を驚くほど見事に取り扱っています」
クラッテンマーカー氏は、ガンジーやキング牧師、リンカーンといった、世界の偉大な宗教指導者や政治家に言及しつつ、イエスは彼らの中でも「傑出した存在」だとしている。
質疑応答欄では、無神論者である自身がイエスを称賛するのは「一見奇妙に思える」かもしれないとしつつも、未信者としてイエスに従うことは「個人生活や地域社会において大いに役立つだけでなく、それを豊かなものにしてくれる」と述べている。また、イエスの働きは自身がこれまでに出会った人物の中で、「最も深遠で示唆に富んでいる」と評している。
USAトゥデイ紙は4日、『イエスに従う無神論者の告白』に基づき、刑務所改革の必要性など、米国社会に求められる問題に焦点を当てるコラムを掲載した。コラムの中でクラッテンマーカー氏は、米国は幾つかの点でキリスト教国といえるかもしれないが、こと罪人の取り扱い方においては、イエスの教えに従い損なっていると論じている。
「犯罪者の更生に関するイエスの見解は、現代の米国社会のやり方とは天と地ほどの違いがあります。イエスの方がはるかに勝っているということです。私たちは皆、大なり小なり刑務所産業に関わっていますが、イエスはこの社会をそこから解放することができます。私たち誰もが、その解放を必要としているのです」と述べ、米国の刑務所事情には多くの問題があると指摘。非常に多くの人が終身刑に服しており、それが米国の納税者に大きな負担となっているなどと述べた。