【CJC】バチカン放送局(日本語電子版)によると、ローマ教皇フランシスコは5日、英国国教会のカンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビーと共に、イタリア・ローマ市内にある「モンテ・チェリオの聖アンドレア・聖グレゴリオ教会」で夕べの祈りを行った。
この祈りの集いは、1966年の教皇パウロ6世(当時)とカンタベリー大主教マイケル・ラムゼー(当時)の歴史的出会いから、今年で50年を迎えることを記念して行われた。
モンテ・チェリオの聖アンドレア・聖グレゴリオ教会と英国のキリスト教は、深い結び付きがある。
教皇グレゴリウス1世(大聖グレゴリウス、在位590~604)は、聖ベネディクト(480頃〜547)の影響を深く受け、ローマのチェリオの丘に修道院を建て、自ら修道者として生活した。そして575年、この場所に聖アンドレアにささげた教会を献堂した。
教皇に選出されたグレゴリウス1世は596年、ブリタニア宣教のため、聖アンドレア修道院の院長であったアウグスティヌス(カンタベリーのアウグスティヌス)をはじめとする修道士たちを現地に派遣した。
集いの言葉で教皇フランシスコは、大聖グレゴリウスが1400年以上前にブリタニアに派遣した神の僕(しもべ)、アウグスティヌスが、最初のカンタベリー大司教となり、仲間たちと共に人々に福音のメッセージを告げ知らせた歴史を回想。「今日、私たちもまた、神の御国の喜ばしい知らせを伝えるために、兄弟たちを派遣したい」と呼び掛けた。
また、この機会に、カトリック教会の司教と、英国国教会の主教、各19人が、2人1組となって協力し、それぞれの大陸で、言葉と行いを通して最も弱い人々に奉仕し、福音を宣(の)べ伝える使命を託された。
教皇フランシスコとウェルビー大主教によって署名された共同宣言では、完全な一致の障害となっている諸問題を乗り越えるべく、神学対話だけにとどまらず、特に自然保護や福祉、支援、平和構築などにおいて、行動や実質を伴ったエキュメニズムの道を歩んで行きたいという趣旨が強調された。
ウェルビー大主教と英国国教会の使節は翌6日、バチカン宮殿で教皇フランシスコに迎えられ、会談した。