南スーダンの首都ジュバのサント・ラク補佐司教は説教の中で、「うそをつく必要はありません。それは私たちの役には立ちません。この国は沈みつつあります。私たちは、国民の苦しみを否定するよりも、むしろ起き上がり、力強く立ち上がって、『神よ、私たちが新しい道を切り開くのをお助けください』と言うことです」と語った。バチカン(ローマ教皇庁)のフィデス通信が4日、報じた。
南スーダンのタバン・デン・ガイ第1副大統領は9月23日、米ニューヨークで行われた国連総会で演説を行い、国連による同国への地域防護部隊の配備に反対を表明。政府軍とリエク・マシャール前副大統領派の軍との衝突の後も、南スーダンは平和であると主張していた。ラク補佐司祭が説教でこのように述べたのは、このわずか数日後のことだった。
国連本部のニュースセンターによると、デン・ガイ第1副大統領は演説の中で、「現時点で、私があなたがたに自信を持ってご報告できるのは、私たちの国の状況が安定しており、平和であること、そして私の政府が機能しており、生活も通常に戻りつつあるということです」と述べた。
しかし、ラク補佐司教は「私たちはこれらの人たちの苦しみを否定することはできない」と主張。「告訴もされないまま投獄されている若い男女は、今日、何人いるのでしょうか? 人々は告訴もされないまま閉じ込められているのです。この国は正義の上においてのみ建てることができるのです。誰かが何か犯罪を犯したとき、憲法に従って、その人は法の前に裁かれるべきなのです。もっとも、私たちの憲法も病気ですが」と語った。
ラク補佐司教は、「不正義を犯す者たち」が、市民へ対する体裁のために宗教行事に出席していると指摘。社会では、汚職がはびこり、貧富の差が増大しており、宗教的な偽善的行為によって自らの時を混乱させていると語った。
「国民に対する不正義に取り組むことなしに、平和の歌を歌うことなどできません。私のトゥクル(泥壁と草ぶき屋根でできた南スーダンの伝統的な家)を焼き、私に平和的であるよう求めておきながら、もう1軒のトゥクルを建てるために草を刈りに行くのを認めないなんて、どうしてできるのでしょうか?」と、ラク補佐司教は結んだ。