
愛知県警本部(写真:Kiyok)
海外の詐欺事件の犯罪収益を日本国内で不正に引き出し、マネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いがあるとして、愛知県警は8日までに、指定暴力団「山口組」系元組員の森川重喜容疑者(46)=愛知県あま市=ら男3人を、組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)と詐欺の両容疑で逮捕した。時事通信などが伝えた。
同通信によると、他に逮捕されたのは、無職・岩井秀敏(55)=あま市=と、風俗店店員・青柳真(44)=名古屋市=の両容疑者。岩井、青柳両容疑者は容疑を認めているが、森川容疑者は黙秘しているという。森川容疑者が指示役だったとみられている。
岩井容疑者は2014年、米国から名古屋の地銀支店にある自分名義の口座に送られてきた詐欺事件の被害金計約4500万円を、「重機の販売代金」などと虚偽の説明をして払い戻しを受けた疑いが持たれている。また、森川、青柳両容疑者は同年、同様の手口で都銀支店の口座から、約4000万円を引き出した疑いが持たれている。
名古屋テレビによると、岩井容疑者は調べに対し、「悪いお金だと思った」と話している。
中京テレビや共同通信によると、愛知県警は、海外の犯罪組織がだまし取った被害金約9億5000万円が複数の口座に振り込まれていることを確認しており、今回の事件を大規模なマネーロンダリングの一部とみて、全容を解明する方針。