イスラム教徒のコミュニティーの主要メンバーらが日曜日の21日、近隣のキリスト教徒たちとの連帯を示そうと、ロンドンのベスナルグリーン聖ヨハネ教会の礼拝に出席した。フランスで起きたジャック・アメル神父の残忍な殺害事件を受けて、友情と地域とのつながりを行動で示そうとする試みだ。
英国国教会のロンドン教区によると、この礼拝は、宗教的差別に反対するグループ「フェイス・マターズ(信仰は重要)」と聖ヨハネ教会の牧師であるアラン・グリーン司祭によって、「(キリスト教とイスラム教の)両方の信仰において命の大切さを認め、また互いの尊厳と命のための連帯、共感、思いやりの精神によって団結するため」に開かれた。
イスラム教徒のゲストの中には、イマム(イスラム教の指導者)であり、イスラム教の研究者でムスリム法評議会の評議員であるママドゥ・ボクム博士、ロンドンのタワーハムレッツ区議であるラビナ・カーン氏、英国でイスラム教徒として初めてプライスウォーターハウスクーパースの会計士とパートナー協定を結んだモハメド・アミン氏らがいた。
ロンドン東部にあるベスナルグリーン聖ヨハネ教会は、宗教の異なる人たちと活動してきた長い歴史を持つ。
タワーハムレッツ異教徒間フォーラムの議長を務めるグリーン司祭は、「キリスト教とイスラム教の両方に敬意を持って今日一緒に(礼拝に)参加し、私たちは全ての人に、信仰のある、なしに関係なく、私たちの言葉や行動によって、またもてなしの精神、開放性、自由の価値観を積極的に宣言することで、暴力的な挑発に応答することを勧めます。私たちは、テロリストや犯罪者が、これらの価値観やこれらの私たちの取り組みを攻撃することを容認すべきではないのです」と語った。
フェイス・マターズのフィヤズ・ムガル氏は、「国内で、また国際的に危機があるとき、コミュニティーが団結することは必要不可欠です。イスラム教徒とキリスト教徒がフランスのミサで一緒に立ち上がり、信仰の故に標的となったアメル神父を偲ぶ、それが意味することは、私たちは互いに近づく努力をしなければならないということです。英国のイスラム教徒たちが、今、聖ヨハネ教会でキリスト教徒の兄弟姉妹と団結しており、それが持つ意味は明らかです。私たちは憎しみに勝利を与えることはしないのです」と述べた。
礼拝に参加したデビー・フレームさんは、「私たちは違いを無視したり、恐れたりすべきではありません。私たちは一緒に祝い、互いのことを学び、また互いから学ぼうとしていてうれしいです。そして今日も、このコミュニティーで共に生き、協力し続けます。昨日(の礼拝で)やったように、これからもそうしていきます」と語った。
イスラム教徒のアミン氏は、「私は、ジャック・アメル神父が2人の若いフランス人のイスラム教徒によって殺害されたとき、米国にいる息子の所に行っていたので、英国にはいませんでした。私は、このような野蛮な行いがあるとき、信用に値する全ての人々が一緒に立つ必要があることを信じています。今日、団結を示すため、教会の礼拝に出席したのは、私にとって初めての機会でした。また、イスラム教徒として、私は『イスラム国』(IS)のような残忍な野蛮人たちが、私の宗教をハイジャックし、憎しみと殺人を正当化していることに憤慨しています。全てのイスラム教徒はそれらの勢力に抵抗する義務があります」と述べた。