イエス・キリストだけを賛美する祭典「JESUS REIGNS JAPAN(ジーザス・レインズ・ジャパン)2016」(主催:ジーザス・レインズ・ジャパン・プロジェクトチーム)が15日、東京・豊洲ピット(東京都江東区)で開催された。午前のパレードに始まり、午後の第1部では賛美と祈りの集会において、終戦記念日を意識しての戦後71周年目の記念宣言、日本の各地域のために祈る時間が設けられ、夜の第2部ではクリスチャンアーティストらによるライブパフォーマンスが行われた。集まった人々は何度も、この祭りの合言葉である「JESUS REIGNS JAPAN」を7回連続で繰り返し叫び、「イエス・キリストが日本の統治者である」ことを力強く宣言した。
ジーザス・レインズは、5年前にフィリピン・セブで始められた祭典で、今では全国各地で開催されるフィリピン最大の祭りとして知られている。フィリピン国外でジーザス・レインズが開催されるのは今回が初めてということで、フィリピンはもちろんのこと、シンガポール、香港、インドネシアなど、アジア各国からも人々が集まった。
祭典は、豊洲周辺をパレードすることから始まった。開始予定時刻の1時間前には、会場の豊洲ピットに、白地のジーザス・レインズジャパンオリジナルTシャツを来た、パレードへの事前申し込みをしていた参加者が続々と集まった。ジーザス・レインズ創始者のジーナさんが祈りをささげ、ショーファーが吹き鳴らされてパレードがスタート。ジーザス・レインズのシンボルマークの旗、王であるイエスを表すライオンの旗、祝福を宣言するイスラエル12部族の旗、主の栄光を宣言する金色の旗、小羊の血潮によって敵を打ち負かしたことを表す赤色の旗、聖さを表す白色の旗、イエスの統治を宣言するための日本の旗、イスラエルを祝福するためのイスラエルの旗、その他世界各国の国旗を持った人々、タンバリンダンスチーム、そしてハート型のバルーンを持った人々、総勢100人以上が続いた。
豊洲ピットからゆりかもめの高架線に沿って豊洲駅方面に向かい、途中で折り返して約2キロを行進。風にたなびく色鮮やかな旗は、遠くにいる人々の目を引き、「ジーザス・レインズ!」と唱える声、時に歌われる賛美は、高架下ということもあって周囲に反響して大きく聞こえた。豊洲という土地柄、通りすがる人々の数はそれほど多くはなかったが、公園の前を通ると子どもたちがフェンスから身を乗り出したり、ちょうど通りがかった観光バスの中から外国人観光客がパレードを撮影する姿が見られた。また、すれ違った2人の女子高校生は「ジーザスフレーズ?何て言っているんだろう」と興味を示し、スタッフから説明を受けると「そうなんだ!」と笑顔を見せた。
この日は曇り空で、雨の予報も出ていたが、パレードは無事終了。全員が豊洲ピット前に戻り、ジーナさんやジーザス・レインズジャパンの代表、重枝覚子牧師(使徒的実現チャーチ東京)を中心に輪を作り、「ジーザス・レインズ・ジャパン!」を宣言し始めた途端、雨雲がみるみるうちに消え去って青空が見え始め、焼け付くほどに熱く太陽の光が降り注いだ。この奇跡のような光景に「天の門が開かれた、この日神が日本に霊的勝利を与えてくださった」と確信した人々は、次々とひざまずいて喜びながら感謝の祈りをささげた。
メーンイベントの第1部は、開会とともに、フィリピンのジーザス・レインズの映像、そして日本各地の観光名所を写真で紹介するムービーが流された後、「今日から日本が大きく変わります! イエスの統治が日本に広がっていくことを宣言します!」との呼び掛けに、会場が大歓声で応えて幕を開けた。本当の夏祭りさながらに、打ち上げ花火の映像も映し出され、トップバッターのゴスペルライオン、DKこと横山大輔(クリスチャンシンガーソングライター)が登場すると、早速会場の雰囲気は最高潮に達した。
この祭りのコアバリューの1つに「名前を名乗らないこと」が挙げられている。祭典中は、特定の企業や個人名、牧師や教会の名前は名乗らないように極力配慮し、全ての出演者はプロに至るまでボランティアとして参加。クリスチャンの来場者であれば、当然顔や声などで登壇者の名前がすぐに分かってしまうが、人物の名前、略歴などは一切紹介されず、ただステージ上で会衆を賛美や祈りへと導き、「ジーザス・レインズ・ジャパン!」とイエスの統治を繰り返し宣言するのが、この祭りの大きな特徴だ。
1時間ほど賛美がささげられた後、それまでの賑やかな様子が厳かな雰囲気へと一変し、登壇した4人の牧師が終戦記念日における「71年目の声明」を読み上げ、「バビロン捕囚の期間が70年であったように、終戦から71年目の今年は日本の新しい節目であり、いよいよリバイバルが起こる」と力強く宣言した。
声明はまず、「近現代史の日本をとりまく国際環境」と題して、近代化の波の中での成功体験が高ぶりへとつながり、ついには戦争、そして2発の原子力爆弾が落とされるに至った日本の歴史を振り返り、終戦から71年目の意味を再確認することから始まった。そして「戦後の贖罪(しょくざい)と葛藤」で、敗戦国となった日本の人々がまるで犯罪者のように、後ろめたさと罪責感を背負ってこの70年を歩んできたこと、人々の心に生まれたゆがみは、祖国をさげすみ、力いっぱい国歌を歌い、風にはためく国旗に胸ふるわすことを奪ったことを指摘。教会での心の傷はもっと深刻で、当時のクリスチャンは天皇と国家への忠誠心を示すために国旗と国歌を用いたため、戦後の教会は極端にそれらを忌み嫌うようになり、教会で国歌が歌われ、国旗が掲げられることは皆無であったこと、国家としての日本と和解ができていなかったのは、ほかでもなく日本のクリスチャンであったことを告白した。
そのような悲しみに満ちた70年を振り返った上で、「今こそ、祖国を抱きしめる時が来た。ヨベルの年の到来で、負債の免除が宣告され、希望の歌を歌いながら約束の償いと慰めの大地に足を踏み入れる時が来た」と、「71年目の癒やしと回復」を宣言。そして、70年の霊的捕囚期を経た日本のクリスチャンが、つらい過去を乗り越えて再び十字架の福音に堅く立つ決意を固めたとして、▽私たちはキリストの十字架の福音以外に人類の救いをどこにも見いださない、▽十字架の福音をあるべき正しい位置に戻し、その十全な贖罪と癒やしの力を認識し、その栄光を減ずる一切のものを排除する、▽福音だけで、十字架だけで、この恵みだけで十分であると再認識し告白する、と「十字架の福音の十全な贖罪と癒やし、救いの力の回復」「福音にある希望」を力強く宣言した。
さらに、唯一の神イエスだけを礼拝する神に喜ばれる国に日本を変えていくことこそに、日本を愛することができるようになったクリスチャンの究極の愛国心があるとして、「私たちの罪はあの日の丸のようにイエスの血潮によって雪よりも白くきよめられたことを、摂理的・預言的に宣言し、今日から新しい意味を込めて国歌を歌い、美しい国旗に敬意を示そう」と、「国旗・国歌、愛国心のあがないと預言的回復」を呼び掛けた。
「かつて『ライジング・サン、日の上る国』と呼ばれていた日本だが、義の太陽である主イエスこそがこの日本に上る真の太陽」「かつて日本の神風は世界を震撼させたが、今の時代の私たちこそ聖霊なる方に吹かれる真の神風であり、アジア全体で1つとなって暴風のように吹きまくり、エルサレムに向けて西へ西へと、愛と真理によって制圧していく」ことを力強く宣言し、「世界を治めるのは私たちの主イエスだ」とキリスト統治の大宣言がなされると、会場全体は「アーメン!」という大きな歓声と拍手で包まれた。
参加者一同が、日本の教会は生まれ変わる!日本にリバイバルが起こる!と喜びの確信に満たされたところで、さらに日本全域にイエスの統治が広がるようにと、日本を9地区に分け、それぞれの代表牧師が、自分の地域に聖霊の火が燃えるように祈る時間を持った。それぞれの地域のこれまでの歩みに対する悔い改め、固有の文化・習俗がきよめられるようにとのとりなしの祈りがなされ、どの地域もイエスが勝ち取った、イエスが統治される地であることを宣言し、その象徴として用意された9台の燭台(メノーラ)にあかりが次々とともされた。
さらに、日本の人々と共にイエスの統治を祝うために来日したアジアの50人以上の参加者が、各国の国旗を掲げて壇上に登り、日本のために祈りをささげた。これから自国でジーザス・レインズを開催していくことを期待している彼らに、会場全体からも各国にエールを送り、次回の開催国であるインドネシアのためにも祈りがなされ、タンバリンダンスチームの華やかな踊りで第1部は幕を閉じた。
第2部のクリスチャンアーティストによるパーフォーマンスでは、フルバンド演奏での、サルーキ=、竹下静、HEAVENESEのライブパフォーマンスが披露された。参加者からは「HEAVENESEの和とゴスペルの融合、エンターテイメント性が特に印象的だった」という感想が聞かれるなど、キリスト教会の枠にとどまらず広く活動するアーティストたちから、参加者は大きな励ましを受け、これからへの期待に胸を膨らませていた。
ジーザス・レインズ・ジャパンは、同日同時開催の日本の祭りの定番として、東京を皮切りに、47都道府県での早期実現を目指している。