【CJC=東京】米テキサス州の教団『FLDS』(末日聖徒イエス・キリスト教会原理派)は一夫多妻制を主張することで知られているが、同州西部サンアントニオの北西約260キロにある施設内で16歳少女が暴行され、別の16歳少女が出産、子どもが生後8か月になるとの情報を受け、州の児童保護局などは4月3日、施設を調査した。
教団側は、信者以外の教会への出入りを禁じる教義に則り、州職員らが教会施設に接近することを拒んでいたが、当局は4日夜に強制捜査に入り、6日までに未成年の少年少女137人と女性46人の計183人を保護した。少女18人は虐待を受けていたとして、州当局の保護下に置かれている。
これら少女は長期間、外界との接触を絶つ生活をしており、州では養育を引き受ける家庭を探している。
施設の関係者の逮捕者は出ていないが、指導者(年齢不詳)は昨年11月、いとこと2001年に結婚した14歳少女に対するレイプの共犯の罪で禁固10年から終身の不定期刑の判決を受けていた。
FLDSは、末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教会)が1890年に一夫多妻制を放棄したことから分派した。
施設は、2004年に70万ドル(約7000万円)で購入、建設を始めていた。敷地の広さは約6・9平方キロ。高さ約24メートルの教会が建つ。
モルモン教会は現在、一夫多妻制を実行する信者は破門し、FLDSとの関連を一切否定している。