最近の発表によると、ナイジェリアで今年、イスラム教徒によって殺害されたキリスト教徒の数が、昨年全体を通して殺された数に早くも到達しそうな勢いだ。
ナイジェリア系米国人キリスト教連合(CANAN)は、「残忍な」殺人行為を強く非難し、犯人たちの責任が追及されることを要求している。CANAN代表のアデ・オイェシレ博士は、「私たちは、犯人が増え続けているのに、彼らに何の説明責任も与えられないまま、これらの残忍な殺人行為が急速に増えていることを悲しんでいます」と語った。
オイェシレ氏はナイジェリア政府に対し、「凶暴な殺人に対する衝撃を単に表明すことを越えて」、「キリスト教徒に対する継続的な大虐殺というこの醜い光景」をくい止めるため、実際的な一歩を踏み出すよう要求した。
オイェシレ氏は、今年のこれまでの間に、ナイジェリア全土で少なくとも384人のキリスト教徒が殺害され、111人が負傷したと発表した。昨年は、計431人のキリスト教徒が殺害され、301人が負傷したとしており、キリスト教徒に対する暴力が増大していることを示している。
オイェシレ氏は、「私たちが把握しているこれらの殺人行為は、報復攻撃、建物、特に教会への放火、あるいはテロリストの宗教分派集団『ボコ・ハラム』によって標的にされたキリスト教徒への継続的な組織的殺害によって実行されています」と語った。
今年はこれまでに、下記のような事件が発生している。
- 北東部の都市マイドゥグリにあるキリスト教徒の町チボクの野菜市場で自爆テロがあり、キリスト教徒16人が死亡、32人が負傷した。
- 北東部アダマワ州の教会の近くにあった市場で自爆テロがあり、10人が死亡、28人が負傷した。犠牲者は全員キリスト教徒だった。
- 南東部エヌグ州ウゾウワニにあるキリスト教徒が多数派を占める共同体が、フラニ族の放牧者らに襲われ、兄弟1人と姉妹1人がずたずたに切られ、19人が負傷した。
- 中東部ベヌエ州アガツでは、過激なイスラム教徒の傭兵たちが、妊娠中の女性を含め、少なくとも300人のキリスト教徒を無慈悲に殺害した。
- エヌグ州で、フラニ族の放牧者らによって、キリスト教徒48人が殺害され、60人が負傷した。
- 北西部カノ州サボンガリの外れにあるダダワで、男性1人とその娘が、ボコ・ハラムによって教会で生きたまま焼き殺された。
- 中北部カドゥナ州ジェマにあるニンテ村の牧師宅で、就寝中のキリスト教徒3人が焼き殺された。
さらに一番最近では、6月2日にカノ州で、キリスト教徒の女性がささいな議論の後にイスラム原理主義者によって斬首された。同30日には、中部ナサラワ州オビで、牧師がイスラム過激派によって殺害された。7月9日には、イスラム過激派によって女性牧師がめった切りにされた。
オイェシレ氏は、「ナイジェリアにおけるキリスト教徒に対するこのような卑劣な殺人行為は、やめなければなりません。キリスト教徒に対するこれらの正当な理由のない殺人行為が、連邦政府の非難声明にもかかわらず続いている事実は最も失望させます」
「明らかな怒りが地に満ちています。国民の安全を保障する直接の責任を持っている連邦政府からの何の答えもない怒りです。これは私たちキリスト教徒が報復を説教せず、平和を説教するとき、さらにそうなのです。私たちは今、平和を求めています」
オイェシレ氏はさらに続けて、「連邦政府は国内のキリスト教共同体のメンバーたちに安心感と所属意識を与えるためにさらに力を入れ、大胆な行動を取り、前に進むことを必要としています」と語った。
オイェシレ氏は、宗派間の殺人は、国々を「破綻した国家」にしてきたと語った。