3月26日、埼玉県所沢市の「男女共同参画推進センターふらっと」で開催された福島みずほ氏による講演会。「ところざわ男女平等ネットワーク」が主催したこの集いには、男女50人以上が集まり、会場は満席となった。
福島氏のファンだという男性は「福島さんの主義主張はぶれることがない。そこが他の人と違う」と語る。会場の年齢層は幅広く、女性だけでなく男性も多く参加していた。
福島氏は「人の顔と名前を覚えることが上手」と評判だが、事実、この日も席につく人に名前を呼びながら声を掛け、にこやかに手を振っていた。
現政権が掲げる「女性活躍推進法」で女性は本当に活躍できるのか、狙いは何であろうかとの切り口で講演はスタート。後半は、質疑応答の形で議論を深めた。ある支援者が「みずほさんマジック」と呼ぶように、聞いている人に不思議な一体感を与える話し方は、とても後味の良いものだった。
政治家となって18年目の福島氏。社民党元党首の故・土井たか子氏の影響を受け、議員を志した。土井氏がクリスチャンであったことは有名だ。「一緒に頑張ってほしい」という土井氏の言葉は、それまで弁護士が天職だと思っていた自身にとって、大きな方向転換のきっかけとなった。
講演では、差別撤廃から始まり、男女平等についても分かりやすく軽快なトークで参加者を引き付けた。生きづらいということは、プラスに考えると、社会の問題点として皆に知ってもらうことにもつながり、生かすことができるとも語った。
差別撤廃、脱原発、男女平等という自身の取り組み以外にも、セクシャルマイノリティーや障がい者も生きやすい社会を一緒に思い描いていこうと訴えた。
「民主主義ってなんだ? それは国会の中ではなく、今日はここにあるのです。家に帰って話す言葉、職場で話す言葉に民主主義がある」と福島氏。「そう思うと勇気が湧いてきませんか!」と呼び掛けると、参加者は一同うなずいていた。
当日はさまざまな立場の人が参加していた。中には長年、NHKの「夏休み子ども科学電話相談」を担当した人や狭山事件(無罪を訴え活動中)の家族の姿も。地元議員や町内会関係者もいた。
驚いたことは、会場に多くのクリスチャンや地元の教会関係者が集まっていたことだ。「私はクリスチャンです」「私もですよ!」と、信仰を持つ者同士で声を掛け合っていた。
ある地元の教会関係者は「平和をただただ望んでいますから、福島さんを応援しているのです」と打ち明けてくれた。