名古屋市中区新栄2丁目の「三宝ビル」で15日午後4時40分ごろ、ビルの一室に2人組の男が押し入り、男性1人に向け拳銃を発砲する事件があった。男性は病院へ運ばれたが死亡が確認された。産経新聞によると、死亡したのは、指定暴力団「神戸山口組」系傘下の組織に所属する斉木竜生組員(64)=住所不詳=で、警察が殺人事件として2人組の行方を追っている。
同紙や毎日新聞によると、同じ部屋に居合わせた男性が、「パンと音を聞いた。拳銃で撃たれた」と119番通報。この男性も頭を殴られるなどしたとみられるが、病院への搬送は断ったという。
2人組はその後、車に乗って逃走。約10分後に現場から南に約2キロの場所にある神社の駐車場で、乗用車が燃えているのが見つかった。NHKによると、2人組が逃走に使ったのは、セダンタイプの銀色の車で、駐車場で燃えているのが見つかった車と同じナンバーだっという。警察が調べたところ、この車は盗難車だった。
発砲があった三宝ビルは、名古屋市営地下鉄・東山線新栄町駅から南に約400メートルの場所にあり、繁華街にも近く、飲食店やマンションなどが密集している場所にあるという。
三宝ビルの2階に住む男性(64)は毎日新聞の取材に応じ、「上の階から、午後4時10分ごろに2回くらい『ドスン』という音が聞こえた」と話した。産経新聞によると、斉木組員らがいた部屋は当時、無施錠だったという。
警察は、指定暴力団「山口組」と、山口組から分裂した神戸山口組に絡む抗争の可能性もあるとみて調べている。