スペイン北部パンプロナで開催されている伝統行事「サンフェルミン祭」で9日、名物の「エンシエロ(牛追い)」の最中に、日本人男性2人がけがを負った。このうち1人は、牛に角で胸を突かれ、病院へ搬送されたという。共同通信などが伝えた。
牛追いは闘牛を市街の路地に放し、多くの人々が牛を追い掛けるようにして路地を駆け抜けるイベント。AFPBBによると、参加者らは、狭い敷石の路地を850メートル以上、ゴールの闘牛場まで駆け抜ける。毎年7日から14日まで行われ、毎日午前8時に6頭の闘牛が放されるという。
ロイター通信によると、初日の7日は2分28秒で終了。角で突かれた人はいなく、5人が軽傷を負うだけで済んだ。一方、AFPBBによると、2日目の8日は、14人が負傷。南アフリカから来た男性(73)と地元の住民(58)が牛に突かれて重傷を負ったほか、米国人女性(53)が心的外傷で入院するなどした。
日本人男性2人がけがをした3日目の9日は、日本テレビによると、スペイン人やイタリア人など計11人が負傷した。時事通信によると、けがをした日本人男性2人のうち1人は、胸の右脇を角で突かれた。共同通信は重傷と伝えているが、在スペイン日本大使館の関係者は時事通信に対し、「重傷ではなく、一両日中に退院できる程度のようだ」と話している。共同通信によると、もう1人は軽傷とみられる。
AFPBBによると、サンフェルミン祭の牛追いでは、1910年以降、少なくとも16人が死亡している。最近では2009年に死亡事故があったという。
なお、けがを負った日本人2人について、時事通信はいずれも33歳と伝ているが、共同通信は胸を突かれた男性が33歳で、もう1人は36歳と伝えている。