


ウェスレアン・ホーリネス教団(峯野龍弘委員長)の第7回定期年会が24日から26日まで、東京都台東区の同教団・浅草橋教会で開催された。年会では、同教団が4年前から進めている信仰告白制定について、信仰告白案を今後1年間、教団加盟の諸教会で試用し、次期年会には正式に制定することが決められたほか、今年創立20周年を迎えたウェスレアン・ホーリネス神学院の記念会、准允・按手式、派遣式、聖会などが行われた。
来年にも信仰告白を制定
同教団の信仰告白案は、信仰職制委員会(小寺隆委員長)によって、「正統信仰のために」「一致のために」「伝道と成長のために」といった必要性から作成が進められてきた。いわゆる「教団紛争」や、その後の日本基督教団(以下、日基教団)内外のホーリネス系諸教会との再編を経て形成された同教団の設立経緯などから、同案は「日基教団の信仰告白を土台とすること」を基本として作成された。
同委の教職委員として同案作成に携わる小寺徹氏(同教団・ひばりが丘北教会牧師)は、「私たちの教団は、戦後も継続して日本基督教団の公同教会の交わりの中にあって、信仰告白共同体としての歩みを摂理として経験させていただいた」と語り、「『イエスはキリストである』との告白の上に『教会を建てる』と語られた主のお言葉にこだわり続け、信仰告白を今後も守り続けていくことを新しい教団の歩みの中でも決断した」と説明する。
同案では、神を「『父・子・聖霊』である三位一体の神」とし、教会を「キリストの体であり、恵みによって召された人々の共同体」とするほか、最後には使徒信条を、聖書については「聖書六十六巻」と明記している。
また、「きよめ」に関する条項では、「信仰によって義認とせられ、その後に聖化を経て、栄化に至る救い全過程をより明らかにする」ため、日基教団信仰告白では「この変らざる恵みのうちに、聖霊は我らを潔めて義の果を結ばしめ、その御業を成就したまふ」とされている箇所を、「この恵みのうちに聖霊はわたしたちを聖め、キリストに似たものとし、聖霊の実を結ばせ、教会を建て上げ、愛の御業を成し遂げられます」としている。
小寺氏は、「『人が救われれば何をしてもよい』と思われる風潮の中で、正しい教会形成を目指して、礼拝において信仰告白をしていく歩みを続けさせていただきたいと願っています」と、信仰告白制定への期待を語った。
伝道師1人、牧師1人が誕生
年会2日目の25日には、補教師准允式と正教師按手式が行われ、今年は伝道師1人、牧師1人が誕生した。今回、補教師に任命されたのは川崎崇氏(同神学院07年度卒業生)。准允式では、「全人的に神と人に仕えていきたい。一緒にいてホットできる教師でありたい」と意気込みを語った。
また、山崎忍氏(同教団・福岡エルシオン教会担任教師)が今回按手を受け、正教師に任命された。按手式では、同教団の正教師一同が按手を授け、山崎氏は正教師になるまでの過程で様々な試練があったことを証しし、「最後の一息までも全身全霊をもって主に仕えていきたい」と語った。
川崎氏は、同日夜に行われた派遣式で、同教団・淀橋教会への派遣が決まり、山崎氏は今後も担任教師として福岡エルシオン教会を牧会する。
「福音のためなら」 3日間で6つのメッセージ
年会は「福音のためなら 十字架の奥義に徹して」を主題に、「福音のためなら、わたしはどんなことでもします。それは、わたしが福音に共にあずかる者となるためです」(コリント第一9:23)を主題聖句として行われ、3日間で計6つのメッセージが伝えられた。
2日目の25日夜に行われた聖会では、本間義信氏(同神学院理事長)がコリント第一の手紙9章12〜29節を引用し、「十字架の恩寵と全き献身」と題して説教。人は裏切るが、神は裏切らない。「イエス・キリストはあなたを裏切ると思いますか」と問いかけ、「主のためには何でも我慢します」「主のためには何でもします」という「全き献身」を呼びかけた。
25日、26日は両日ともに夜に聖会が行われ、学校や仕事帰りの人々が加わり、それぞれ約120人が参加した。また、聖会後には「宣教懇談会 教団にできること」として、同教団の今後の展望について、自由に話し合い、分かち合うことができる時間が持たれた。