世界中から聖公会信者が今週、フィジーに集まって気候変動をめぐる正義に関する国際会議を開いている。この行事は、英国の聖公会の宣教組織であるユナイテッド・ソサエティーの主催によるもので、聖公会の指導者たちが気候変動に関する課題に「もっと精力的に取り組む」のを助けようと企画されたもの。アングリカン・コミュニオン・ニュース・サービス(ACNS)が5日、報じた。
「一緒に、皆さんは全世界聖公会と世界にとって多くの課題を生み出している困難なテーマを探求し、それと格闘することになるでしょう」と、カンタベリー大主教ジャスティン・ウェルビー氏は、この会議の参加者たちに宛てたメッセージで述べた。
「私たちは共にそれらに向き合い、前へ進む道を見つける必要があるのです。そうすれば、私たちは自らの目的を達成することができるでしょう」と同大主教は述べた。「私の祈りは、気候変動をめぐる正義に対する前向きな戦略を定める上で、この会議がとても大きくて意義深い役割を担うことです」
「嵐の中で神と出会う」と題するこの7日間の会議は、ポリネシアの主教でアオテアロア・ニュージーランドおよびポリネシアにある聖公会の首座主教の1人であるウィンストン・ハラプア大主教の招きにより、フィジーで開かれている。
フィジーにある村々のうち676の村が、海面上昇のために洪水の危険にさらされている。そして、幾つかの地域社会がすでに移住を余儀なくされてきている。「その影響は海洋の酸性化で魚資源が死んだり、海水で農地が荒廃するといった、単に経済的なものだけではなく、先祖の土地が破壊されつつあるために文化的なものでもある」と、ユナイテッド・ソサエティーはある声明の中で述べた。
「嵐や洪水の集中度や頻度の増大は、干ばつの増大という結果をもたらし、土地や食料、水の安全保障に悪影響を及ぼすと予測されている。今年だけでもこの国は、サイクロン『ウィンストン』や数えきれないほどの地震と戦ってきた」と同団体は述べた。
「(ニュージーランドや米国にある、気候変動の国策形成における倫理と正義に関する研究プロジェクトである)『全国気候変動をめぐる正義』(National Climate Justice)によると、『フィジー人は気候変動に対して最も脆弱(ぜいじゃく)な人たちのうちに入る』という」
ユナイテッド・ソサエティーのグローバル関係局長であるレイチェル・パリー氏は、こう付け加えた。「この会議の目的の1つは、気候変動をめぐる正義にもっと精力的に取り組むよう、世界中の聖公会の指導者たちを促し、この問題を政治課題として提起するのを助け、そして地域社会が地域における対応の備えをするのを助けるために教会を励ますことです」
「この会議はまた、(ユナイテッド・ソサエティー)が私たちの世界的な協力者たちのより幅広い関心に耳を傾ける機会でもあり、それにはどうやって私たちが、国連の持続可能な開発目標を達成するための自らの努力において、聖公会の群れとして共に活動できるかを探求することも含まれるのです」