【CJC=東京】同性愛者や両性愛者など性的少数者(LGBT)に対する社会の理解を深めようと、25日午後、フィリピンの首都マニラのリサール公園で「メトロマニラ・プライド・フェスティバル2016」が開かれ、約4500人が集まった。LGBT団体「メトロマニラ・プライド」が主催し、今年で22回目。
イベントではLGBT支援団体や当事者、その家族や友人などが、LGBTの象徴である虹色の旗や「偏見ではなく愛を」「愛に宗教は関係ない」などと書かれたプラカードを手に集まった。
現地邦字紙「まにら新聞」の報道によると、在比オーストラリア大使館は、アマンダ・ゴレリー大使を先頭にパレードに参加。大使は「比でもオーストラリアでも、LGBTが平等な権利を勝ち取るには、当事者だけでなくみんなが立ち上がることが必要」と話した。
国民の大半がカトリック教徒であるフィリピンでは、宗教を理由に自身がLGBTであるということを打ち明けられない当事者も少なくない。
1990年代から、同性愛者らに対する包括的差別撤廃法案がたびたび提出されたが、廃案になるケースが繰り返され、現在でも成立していない。同性婚を認める法律もない。