調書を偽造した上、覚せい剤の密売人に捜査情報を漏えいしたとして、北海道警の警部補、早坂洋平容疑者(38)=札幌市西区=が22日、証拠隠滅(証拠偽造、偽造証拠使用)と地方公務員法違反(守秘義務違反)の容疑で逮捕された。早坂容疑者は容疑を認めている。毎日新聞などが伝えた。
同紙によると、早坂容疑者は昨年4月、覚せい剤密売人の男と共謀し、この男の供述として、50代の別の男が「覚せい剤を所持しているのを見た」などとする虚偽の調書を作成。北海道新聞によると、この虚偽調書に基づき、警察が50代の男の自宅を家宅捜索したところ、実際に覚せい剤0・046グラムが見つかったため、50代の男は覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕された。
両紙によると、早坂容疑者は、逮捕された50代の男の家宅捜索に関する情報や、供述内容などを、密売人の男に漏えいしていた。50代の男は密売人の男に覚せい剤を発注していたが、動機などに不明な点があるという。調書が虚偽であることは、50代の男の取り調べ過程で発覚した。
NHKによると、早坂容疑者は、捜査協力者として、密売人の男とは日頃から連絡していたが、同僚からは癒着を指摘する声が上がっており、捜査していたという。
朝日新聞によると、密売人の男は50代で、既に覚せい剤取締法違反の罪で起訴されている。
北海道新聞によると、早崎容疑者は2001年に採用され、14年4月から北海道警薬物銃器対策課に配属され、薬物捜査を担当していた。「家族や同僚に迷惑を掛けた」と話しているという。同紙によると、北海道警の白井弘光監察官室長は「道民に深くおわびする。厳正に対処するとともに、原因、業務内容の検証を行い、再発防止に努める」とコメントしている。