北アイルランドで、ゲイの客からの注文を拒否し、議論の的となっているクリスチャンのケーキ屋「アッシャーズ・ベイキング社」は有罪となる必要がないと、北アイルランドの法務長官が法廷で語った。
同ケーキ屋は、LGBTの活動家、ガレス・リー氏から「ゲイの結婚に支持を(Support Gay Marriage)」とのスローガンが書かれたケーキを焼くことを頼まれたが、拒否した。ケーキ屋のオーナーはクリスチャン。2014年、州裁判所は同ケーキ屋に対し、有罪とする判決を下した。
これに対し、ケーキ屋は上訴。裁判は今年初めに開かれることが予定されていたが、北アイルランドの法務長官ジョン・ラーキン氏による直前の介入後、延期されていた。
ラーキン氏は法廷で、この件は、問題となっているケーキを越えて重大な事柄に関係していると話した。
「これは(一種の)表現行為であり、また、アッシャーズが従うことを強いられているこの法律は、北アイルランド憲法の下で合法的なのかどうかということにも関わってきます。彼らは、自らの政治的見解や宗教的見解と違っていることに関してはっきり話し、表現し、政治的なメッセージを発信しているのです」と語った。
一方、リー氏の弁護士は、アッシャーズのオーナーであるマクアーサー家族にとって、今回の注文を受けることが自らの信条に反して何かを行うよう強いられることには当たらないと述べた。
「ゲイの結婚に支持を」というフレーズが神への冒涜に当たるかとの裁判官の質問に対し、リー氏の弁護士は、ゲイの結婚に関する今回のキャンペーンは、市民から一定以上の認識をすでに得ているため、神への冒涜には当たらず、信仰を侵害することにもならないと主張した。
今もなお、審議は継続中だ。