トルコ政府は、戦闘で破壊された南東部の町ディヤルバクルに残る最後の六つの教会を押収し、国有財産だと宣言した。
ワールド・ウォッチ・モニター(WWM)は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が10カ月の市街戦を経て、ディヤルバクル内に現存する一部の不動産を収用することを命じ、町の歴史センターを再建、修復すると報じた。
収用された教会には、カトリック、プロテスタント、正教会が含まれる。しかし、1700年以上前に建築されたものを含む収容された教会は、人口の98パーセントがイスラム教徒であるこの国の、実質上の国有財産となる。
収用命令は3月25日に発令され、エルドアン大統領の閣僚評議会で施行された。
アッシリア人、アルメニア人、カルデア人、トルコ人のキリスト教徒たちは昨年の大半の間、トルコ軍と武装組織「クルド労働者党」の対立のために教会に通うことができなかった。
トルコのアルメニア系のニュースサイト「Agos」は、教会に通えないにもかかわらず、教会の財産を収用するという政府による今回の決定は、アルメニア人、シリア人、カルデア人のコミュニティーの中に怒りを引き起こし、教会の財団はその決定に対して法的措置を取るための準備を行っていると報じた。
キリスト教徒による反発の中で、政府は、町の歴史的なモスクも多く収用していることから、宗教的な動機はないと主張した。WWMは、トルコのモスクは国立である一方、キリスト教会は財団が維持しなければならないことを指摘している。
政府は、収用命令が再建と修繕のためだと主張しているが、ディヤルバクル・プロテスタント教会のアーメット・グベナー牧師は、政府が財産を奪うという理由だけで教会を収用していると考えている。
グベナー氏はワールド・ウォッチ・モニターに、「政府は、保護するためにこれらの財産を収用したわけではなかったのです」と話した。「彼らはそれを取得するためにそうしたのです」
グベナー氏は、政府に対して訴訟を起こすことを考えていると述べた。もしトルコの裁判所で敗訴するなら、欧州人権裁判所に控訴する準備をしているとも明かした。
ワールド・ウォッチ・モニターによると、地域当局の職員もまたこの決定に批判的であり、収用命令が法的正当性を欠き、町に文化的な打撃を与えかねないと主張しているという。職員は、教会の所有者に法的措置を取るよう勧めている。
ディヤルバクル弁護士会は、政府の決定に対して公に訴訟を起こす初の団体となる。提供された声明には、「収用計画の中には、公衆の団体に属するもの、歴史的、文化的遺産と考えられる礼拝所、邸宅が含まれています」とある。「この決定は環境都市計画省の要請によって、何の理由や根拠もなく行われたように見えますが、憲法の命令の限度から言って受け入れがたいことです」
継続する対立によって、多くの礼拝者が教会に行くことができなくなっているが、日曜礼拝を始めた人たちもいる。