【CJC=東京】キューバの国営テレビによると、ラウル・カストロ国家評議会議長(76)は2月26日、同国を訪問中のバチカン(ローマ教皇庁)国務長官(首相に相当し、教皇に次ぐ地位と見られている)のタルジチオ・ベルトーネ枢機卿と会談した。24日にフィデル・カストロ氏(81)に代わり新議長となって以来、初めての外国高官との会談となった。
会談の内容は明らかになっていないが、バチカンは米国の対キューバ経済制裁に批判的な立場を取っており、キューバは、カトリックとの関係強化を図り、制裁解除に向けた機運を盛り上げたいところ。キューバ側は教皇ベネディクト十六世を招請したとみられる。枢機卿は訪問中、教皇のキューバ訪問について前向きな発言をしている。
キューバ政府は前教皇の求めに応じて政治犯約100人を釈放した。今回も枢機卿の訪問に先立ち、7人を釈放するなど、バチカンとの協調姿勢を示している。