ナイジェリアのチボクでイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」によって誘拐された女子生徒の家族が、事件発生から2年を経てなお苦しんでいる。そのほとんどがキリスト教徒だった275人の少女が学校から連れ去られた2014年4月14日の事件以降、誘拐された少女たちの親18人が死亡した。
47人は脱出に成功したが、228人がいまだ人質となっていると見られている。迫害監視団体「オープン・ドアーズ」によると、いまだ行方不明の少女の親は、自立して生活するのに深刻に苦しんでおり、多くはそのトラウマに関連する深刻な健康問題を抱えて苦しんでいるという。
ある少女の父は、「私が病院に妻を連れて行くと、高血圧があると言われました。時に彼ら(病院のスタッフ)は病気を診ず、『あなたの家庭の中で考えることです』と言います」と語った。
彼は、残された他の娘たちも苦しんでいると述べた。彼の娘の1人は「物音を聞くと、ボコ・ハラムが来て姉妹と同じように自分をさらっていくのではないかと恐れ、震えます」という。
2014年4月の事件後、多くがチボクから脱出したが、戻ってきた家族もいる。しかし、誘拐事件以降、学校の授業は再開しておらず、地域の子どもたちは2年間教育を受けられない状況にある。街の市場も事件以降閉鎖されている。
オープン・ドアーズは、食料を提供したり、被害を受けた人々にヘルスケアやカウンセリングの場を提供するため、地域の教会やパートナーと協働している。
「私たちはよく話を聞いてもらい、助言を受け、慰めを受けています。本当に良くしてもらっていると感じます」と、自身の娘アミナさんを誘拐されたアユバ牧師は述べた。「私が(自宅に)戻ったとき、この知識を教会と共有しようとしました。数人の人々を組織し、教え始めました。彼らは本当にそれを望みました」
「西洋の教育は許されない」との意味を持つボコ・ハラムは、2009年に活動を開始した後、数百人の女性と少女を誘拐してきた。チボクの誘拐事件の数週間後、ボコ・ハラムは女子生徒のうち136人がイスラム教に改宗したという趣旨の映像を公開した。少女たちはヒジャブを身に着け、クルアーンを暗唱した。
少女たちの中にはボコ・ハラムに洗脳を受け、彼らの一員として殺人を行っている者がいると情報が一部で報じられている。