【CJC=東京】ローマから毎日新聞が報じるところでは、古代ローマ遺跡コロッセオ近くの初期キリスト教時代の礼拝室跡から4世紀の壁画が発見され、描かれた人物像の左目からローマ帝国の青銅硬貨が出土した。
発掘に当たった日伊共同チームの山田順・西南学院大准教授は「ローマが多神教社会からキリスト教一神教社会に変容する過程を解明する上で貴重な資料だ」と話している。
山田氏は「(キリスト教以前の)古代末期の地中海世界では、冥界に渡る船賃として硬貨を死者の目の上に置いて埋葬する習慣はあったが、居住空間にある壁画の人物像の目の位置に埋め込まれていた例は報告されていない」と指摘する。