李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領がまだソウル市長であった04年に、韓国の京郷(キョンヒャン)教会で語った証しをまとめた冊子「貧困少年、大統領になる」(小牧者出版)が、李氏が正式に大統領に就任した25日に合わせて出版された。貧しい生い立ちから大統領になるまでの心の軌跡や、ソウル市長時代に成功させた清渓川復元の大プロジェクトについてなど、李大統領の生涯を通しての証が収められている。
李大統領は、当時社員数十人という零細企業であった現代建設に入社し、29歳で取締役、36歳で社長、47歳で会長に就任し、現代建設を国内のトップ企業に押し上げた。またソウル市長時代には、20万人以上の住民を説得し、当時高架道路が建ち、千人あまりの露天商がいた地域に清渓川を復元させた。それぞれ「サラリーマン神話」「清渓川神話」として語られている。
しかし、李大統領の生い立ちはあまりにも貧しい。両親と5人の兄弟の計7人が、貧しい人々が共同で使う空き寺で、身長程度の高さの段ボールで仕切りをしたわずか一間の「部屋」に暮らしていた。隣の「部屋」に住むこじきの家庭でさえ「自分たちよりはるかに良い生活をしていると思っていました」というほどであった。
そんな李大統領の母親は熱心なクリスチャンであった。夜明けの4時になると、まだ祈りの内容も理解できない末の息子も起こし、みなを祈りの姿勢にさせてから祈った。この祈りを一日も欠かしたことがなかったという。母親は、教会の早天礼拝に参加してから仕事場に行き、夜中に帰ってきてまた翌日には早天礼拝という日々を送っていた。李大統領は20年間、ずっとこの母親の祈りを聞いて育ち、「私の母は、行動でイエス様を信じているということを現していたのです」と母親の信仰を証しする。
李大統領は冊子で、「神様の摂理は、人間には分からないものです。私は、世が与える苦痛がどんなに苦しいものであったとしても、神様が私たちに大きな試練を与えてくださる時、その試練を感謝の心で生きるなら、神様が必ず試練にまさる大きな祝福を下さると信じます」、「神様が私に多くの困難や苦しみを乗り越えさせて、市長という役割を下さったのは、神様からの召命があるからだと思います」、と証している。
冊子「貧乏少年、大統領になる―李明博の信仰と母の祈り」は定価(800円+税)。