名古屋市中区富士見町にある日本料理店「三露(みつゆ)」でフグのコース料理を食べた男女9人のうち8人が、食中毒の症状を発症した。三露は料理で、調理や提供が禁止されているトラフグの卵巣を提供しており、「ふぐ処理施設」の届け出も出していなかったという。中日新聞などが伝えた。
同紙や朝日新聞によると、食中毒が発生したのは、1日夜、会社の同僚9人でこの店を訪れた男女9人に提供したフグのコース料理。料理の中で、調理や提供が禁止されているトラフグの卵巣を煮こごりにして出していたという。8人は、料理を食べた約1時間後に口のしびれや吐き気などの症状を訴えた。食中毒の症状が出た8人のうち4人が入院しているが、命に別条はない。
フグは三露の経営者が調理し、卵巣は初めて提供したと話しているという。一方、三露は、愛知県ふぐ取扱い規制条例に基づく「ふぐ処理施設」の届け出を出していなかった。
読売テレビによると、名古屋市は、トラフグの卵巣が食中毒の原因の可能性が高いとみており、再発防止策が確認できるまで、三露を無期限の営業禁止処分にした。処分は2日付。
中日新聞によると、名古屋市は今後、経営者がフグの調理資格を持っていたかどうかや、いつ頃からフグを提供していたかなどを調べ、悪質と判断した場合は、食品衛生法違反容疑などで警察への告発も検討している。