「戦争させない・9条壊すな! 総がかり行動実行委員会」が主催する28日の「戦争法制施行に抗議する国会座り込み行動」の中で、午後3時からの集会が衆議院第2議員会館前で行われ、参加者は主催者発表で約400人から約500人に増えた。この集会で、「解釈で憲法9条を壊すな! 実行委員会」の賛同団体から、平和を実現するキリスト者ネット(キリスト者平和ネット、東京都文京区)事務局の渡辺多嘉子さんが発言し、命を大事にして連帯を続けるよう訴えた。
カトリック信徒の渡辺さんはこの集会で、聖書の創世記で、神が助け手を造られた後に兄のカインが弟のアベルを殺した話を紹介。「人殺しはいけない、命は大事にしなくてはいけない、そして造られた一人一人、それぞれが大事にされなくてはいけない、幸せになる権利がある、そういうことをいろいろな宗教が言っています」と語った。
「テロがあり、宗教戦争もありましたが、今もムスリム(イスラム教徒)の人たちが圧迫され、不当な被害を受けている」と渡辺さんは話した。「でも皆さん、今日はずっとお昼からムスリムの人たちが一緒に座ってくださっているんですよ」
「ムスリムの人たちには、一人を殺すことは全世界の人を殺すのと同じことだという教えがあると伺いました。本当に命を大事にしてみんなが仲良く暮らしていこう、そういうことを目指しているわけですよね。難しいからこそ、私たちはそうしなくちゃいけない、そういう思いでここに立っています」と、渡辺さんは語った。
「ところで、今回、野党の国会議員の皆さんが共闘して、そして力強く、私たちと一緒に、戦争法反対、安倍内閣を退陣させて、本当に一人一人が大事にされる世の中を作っていこうということで共闘してくださっています」と、渡辺さんは述べた。
「私たちはこれを野合とは呼びません。野合という言葉はそっくりそのまま自公政権のほうに返しましょう」と渡辺さんが語ると、参加者たちの中から拍手が起きた。「決して野合ではない。これは明らかに私たちの共闘であり、そして連帯です。今日もこうしてたくさん並んでいます。これが私たちの連帯だと思います。これからまだまだ大変なことがあると思います。この連帯を続けていきましょう」と結んだ。
その後、総がかり行動実行委員会の高田健氏がまとめのあいさつをし、「安倍首相の任期は2018年の9月までで、2018年までに参議院選挙は今回の参議院選挙1回しかない。ですから安倍首相が自分の任期中に憲法を変えると言ったことは、今度の参議院選挙で絶対に3分の2を取るという、彼なりの背水の陣、決意表明なんです」と指摘。
「ですから今度の参議院選挙で安倍首相に絶対3分の2を取らせてはならない。私たちは野党が共闘して、必ず改憲を阻止するために全国で闘って3分の1以上、何としても闘える。そうしたら、2007年におなかが痛くなった安倍首相の二の舞をもう一度2016年に再現することができるんです」と高田氏は訴えた。
高田氏は、そのために「戦争法の廃止を求める2000万人統一署名」を集めて世論を強くし、明日午後6時半からの第1部と7時40分からSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)の学生による第2部からなる、国会正門前の大集会に参加するよう呼び掛けた。
なお、5月3日の憲法記念日には、有明防災公園(東京臨海広域防災公園、東京都江東区)で「5・3憲法集会」が行われる。詳しくはこちら。