パキスタン東部の都市ラホールの公園で27日、自爆テロが発生し、28日までに少なくとも72人が死亡、約230人が負傷した。27日はキリスト教の祭日「復活祭(イースター)」で、イスラム武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)系の組織「ジャマート・ウル・アフラル」が犯行声明を発表。ジャマート・ウル・アフラルの報道官は、「標的はキリスト教徒だった」などと語った。
ロイター通信や英国クリスチャントゥデイによると、自爆テロは27日夕、ラホールにあるグルシャン・エ・イクバル公園で発生。公園は当時、家族連れのキリスト教徒数百人がイースターを祝うために集まるなど混み合っていたという。爆発は、公園の子ども用の遊び場から数メートル離れたところにある駐車場で発生した。
一方、AFP通信によると、ラホール警察幹部は28日、死者の大半はイスラム教徒だったとして、キリスト教徒が特定の攻撃対象となったわけではないと述べている。また、ラホール警察当局はこれまでのところ、今回の自爆テロがジャマート・ウル・アフラルによるものか確認が取れていないとしている。
自爆テロを受け、英国国教会のカンタベリー大主教、ジャスティン・ウェルビー氏は28日、自身のツイッターで「ラホールの犠牲者の方々のために、十字架を負われた神に祈ります。神は、絶望の中に希望をもたらし、その愛は犠牲者と共にあり、正義を約束される方です」とコメントした。
ラホールでは昨年3月にも二つの教会で自爆テロがあり、15人が死亡、約70人が負傷している。今回の自爆テロと同じく、ジャマート・ウル・アフラルが犯行声明を出していた。
ラホールでは28日、犠牲者を追悼するため、市場や学校、裁判所などを休みとする措置が取られた。一方、犯行声明を出したジャマート・ウル・アフラルの報道官は、今後も学校や大学などを狙った攻撃を行うなどと述べている。