【ロンドン=ENI・CJC】英国国教会(聖公会)の霊的最高指導者カンタベリー大主教ローワン・ウィリアムズ氏は、イスラム法の一部であるシャリア法を英国の司法制度の中に取り込む必要があるとした自らの「発言に批判が集中したことに、「並行司法制度」を提唱したものではない、と応答した。
2月11日、英国国教会総会での演説で、ウイリアムズ氏は、シャリア法に英国で同等の扱いをすることを提案してはおらず、英国の司法制度にイスラム法を持ち込もうとする試みは「女性の地位と特権」を危うくする、と指摘した。「批判の中には、実際の発言から非常にかけ離れたものもある。しかし、一般に、また仲間のキリスト者に誤解を招いたような、あいまいな所や誤った言葉使いがあれば、もちろん責任は取る」と言う。それでも、「私は、英国国教会の牧師が、他の宗教共同体の抱える問題について発言して、それを公共の問題とするように努力することは不適当ではないと強く信じている」と語った。
ウイリアムズ氏の見解には、前任者のジョージ・ケアリー氏始め多くの人から批判の声が上がった。「民主主義と人権のための戦いの中で磨かれて来た私たちの国法に例外があってはならない。英国の法律の中にイスラム法の一部を受け入れるという主張は英国にとって悲惨なものとなる」とケアリー氏は『ニュース・オブ・ザ・ワールド・サンデー』紙に寄稿した。
「重要な討論であり、私たちは大主教の問題提起を歓迎する。コメントが誤り伝えられ、誤解されたことは遺憾だ。これは明らかに複数宗教の傾向を強める社会の課題なのだ」と、同派のレイ・アダムス総幹事代行は述べている。