コーンフレークなどの製造で世界最大手の米ケッロッグ社(ミシガン州)の工場で、従業員とみられる男が生産ラインに小便をかけている動画が11日、ネット上に投稿された。ケッロッグ社は14日、「われわれの消費者、従業員、ブランドに対する想像できない侮辱行為」と題する文章を発表し、問題の動画について米食品医薬品局(FDA)が捜査に着手したことを明らかにした。
発表によると、ケッロッグ社は問題の動画を11日朝に発見。直ちに法執行当局やFDAに被害を届け出るとともに、社内調査を実施。撮影場所が米テネシー州メンフィスの同社工場であることを突き止め、動画に映っていた生産ラインが現在のものと違うことなどから、2014年に撮影されたものだと特定したという。
現在も社内調査を継続して行っており、より詳しい事実確認を進めている。これまでのところ、犯人がなぜ犯行から数年後に動画を投稿したのかは分かっていないという。また、捜査当局と緊密に協力して犯人の特定を急いでいるとし、現在も同社工場で勤務している場合は解雇し、適応できる法律を最大限用いて告訴するとしている。
影響を受けた可能性のある製品は、「ライス・クリスピーズ・トリーツ」のほか、オートムギにはちみつや乾燥フルーツなどを加えたシリアル「グラノーラ」を含むいくつかの製品、また現在は生産していない米製の製品だが、ケッロッグ社は「影響は非常に限定的で、既に賞味期限は過ぎている」と説明している。また、「該当行為は不快な犯罪行為であるが、この種の状況においては、食品の質に関する問題であり、食品安全上の危険性はない」と付け加えている。
北米ケッロッグのポール・ノーマン社長は、「この個人による行為は、皆様と皆様の家族のために過去110年以上わたって食品を提供してきたわれわれに皆様が置いてくださっている信頼を裏切る行為です。ケッロッグの北米事業の社長として、また世界3万3000人のケッロッグ社従業員に代わり、深くお詫びするとともに、悲しんでいます」としている。