テネシー州など米南部4州を5日夜に襲った竜巻による死者は6日夜(日本時間7日朝)までに、少なくとも54人に達した。発生から1日が経過し被害が次々に報告され、1985年にペンシルベニア、オハイオ両州を襲い76人の死者を出した米史上最悪の竜巻に継ぐ規模にまで拡大している。
テネシー州ジャクソンにあるユニオン大学の学生寮では竜巻発生時に約1200人の学生がいたとみられ、竜巻によって崩壊した建物の下敷きになり数人が重症を負うなどした。地元の教会は、学生の移動を助けるために、教会所有のバスを提供するなどしている。
死者が最も多く発生したのはテネシー州で、30人に上る。続いてアーカーソン州で13人、ケンタッキー州で7人、アラバマ州で4人。被害が深刻なテネシー州では、竜巻の被害にまぎれての略奪事件も発生しているという。
これを受けて、ブッシュ米大統領は同日、連邦政府としての被災者支援に乗り出す意向を4州の知事に伝え、米連邦緊急事態管理局(FEMA)も被害状況の把握や支援調整のため、現地に救援チームを派遣した。